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MLBとJTBが提案する新たなスポ―ツ観戦の形 スポーツホスピタリティの展望と契約の舞台裏 (2ページ目)

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JTBとの契約の経緯を語る十原氏 photo by Ishikawa TakaoJTBとの契約の経緯を語る十原氏 photo by Ishikawa Takao

「期待・感動・余韻」がコンセプト

―― お話に出てきました、ホスピタリティ・パッケージについて、通常の観戦チケット付きのツアーとの違いを、改めて教えていただけますでしょうか。

五十嵐 ホスピタリティ・パッケージは単なる観戦ツアーではなく、スポーツ観戦に加えて、上質なお食事やプレミアムな体験などがセットになったものです。いわば贅沢な時間と空間を楽しむ商品だと私どもは説明しています。よく「モノ消費」、「コト消費」と言われますが、このパッケージは、究極の「トキ消費」だと考えています。

 本来、スポーツホスピタリティは人と人をつなげる、つまりエンゲージメントを高める効果がありますので、企業の方々がお客様を招待したり、家族や友人を招いて特別な時間を過ごしたりすることにも有効な商材だと考えています。

 我々はホスピタリティ・パッケージのコンセプトを、「期待・感動・余韻」だと捉えているのですが、それを実現するためには、試合前、試合中、試合後に充実した時間を楽しんでいただくことが大切です。「期待・感動・余韻」は、連続で行なっていかなければいけないと考えていて、そこに間が空いてしまうと、高まった気持ちが途切れてしまいます。

 本当に細かいところですが、バスにロゴをつけたり、球場の近くに降りていただいてスムーズに入場していただいたり、というところにこだわっています。これらはすべてMLB様の協力なくしてできないことです。
MLBロゴ、大会ロゴを掲出したバスで球場まで送迎 写真提供:JTBMLBロゴ、大会ロゴを掲出したバスで球場まで送迎 写真提供:JTB十原 これは本当にすばらしいオペレーションだと感じています。私は以前にJTB様が手掛けていた別の競技でのホスピタリティ・パッケージを体験させていただきました。その時にこれは本当に新しい世界だなと感じました。逆に我々とご一緒した時に、MLBとしてどのような体験を実現できるかすぐにイメージは湧きませんでしたが、本格的なホスピタリティ・パッケージに大きな可能性があると確信しました。

―― 実際に大きな話題を呼んだ3月のMLB WORLD TOURソウルシリーズ 開幕戦が、ひとつの指針になったのかと思います。ここではまさにホスピタリティ・パッケージにより、日本から多くのファンがソウルで観戦を楽しんだわけですが、どのような反響がありましたか。

五十嵐 ソウルシリーズに行かれたお客様には、「期待・感動・余韻」を存分に楽しんでいただけたのではないかと思っています。お客様は実際にフィールドに降りて、試合前の打撃練習を見学されたのですが、そのなかのおひとりが「この体験だよ。体験がいちばんだよ」とおっしゃっていたのを耳にしました。それを聞いた時にはとてもうれしかったです。

 さきほど十原様がおっしゃっていたように、チケットを購入されて観に行くことはこれまでもできましたが、野球の面白さを違った角度から見ることができるのは、MLB様の協力なしでは実現できません。パートナーシップという名の元で、今後もこのような商品を考えていきたいと思っております。
フィールドに降りてバッティング練習を間近で見た参加者たち 写真提供:JTBフィールドに降りてバッティング練習を間近で見た参加者たち 写真提供:JTB十原 MLBとして初めて韓国で開幕戦を実施し、JTB様としても契約後、初めてのホスピタリティ・パッケージの発売ということもあり、さまざまな不安と期待感がありました。しかしホスピタリティ・パッケージの抽選倍率は200倍以上となり、実際に多くのファンが足を運んでくださいました。そんなファンの方々の熱狂や興奮がすべてのシーンにおいて見られました。JTB様の運営、オペレーション含め、大盛況・大成功だったとMLB一同感じています。

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