エアロビック絶対女王の北爪凜々が経験した「まさかの事態」 メダルからの降格から生まれた感動的な拍手と温かい声援
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一目置かれる日本勢
リズムカルな曲に合わせた軽快なステップや空中での技、そして演技中の表情で、見ている側をハッピーな気持ちにさせてくれるのがエアロビクス。それをスポーツに発展させたものを「エアロビック競技」という。体操競技やフィギュアスケートと同様、採点スポーツに位置づけられている。
約1分20秒の音楽に合わせて、さまざまなステップを連続で繰り出し、エレメントと呼ばれる高難度な技を正確に行なうことで得点を競う。審査は難度点、実施点、芸術点を合計して、主任審査員の減点により得点が決定。部門は主に男女別のシングル、男女混合のミックスペア、トリオ、グループがある。
国内大会には「スズキジャパンカップ全日本総合エアロビック選手権大会」があり、国際大会には「スズキワールドカップ エアロビック世界大会」、「FIGワールドカップ」、「ワールドゲームズ」などが開催されているが、日本は世界のなかでも一目置かれる存在だ。
今年4月に国際体操連盟との共催として4年ぶりに開催されたスズキワールドカップで圧倒的な輝きを放ったのが、日本の第一人者である北爪凜々だ。彼女は女子シングルとミックスペアで金メダルを獲得し、女子シングルは三連覇、ミックスペアでは二連覇を達成した。
世界中の選手から尊敬を集める彼女は、エアロビック競技の魅力についてこう語る。
「すごく重要な部分がエアロビックステップで、まずはここが魅力の一つですので、注目してほしいです。それからいろんなエレメントがあるんですが、柔軟性やジャンプ力、筋力を使うものなど、それぞれに技の特徴があるので、そこも見てほしいですね。あとは一番私が力を入れていて、魅力的だなと思うのは、1分20秒のなかにある物語、作品力です。オープニングから最後のポーズまでのストーリーをぜひ楽しんでほしいです」
先のスズキワールドカップで北爪が女子シングルで披露した演目は「踊る火の鳥」。軽快なエアロビックステップのなかにさまざまな高難度のエレメントを連発しつつも、腕の動きや柔軟な体のしなり、そして豊かな表情で、火の鳥を見事に演じきった。
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