エアロビック絶対女王の北爪凜々が経験した「まさかの事態」 メダルからの降格から生まれた感動的な拍手と温かい声援 (2ページ目)
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まさかの事態でメダルを逃す
北爪がエアロビクスを始めたのは、生後10か月のこと。母親が赤ちゃんに対してベビーマッサージやエクササイズなどを行なう「ベビービクス」に連れて行かれたのがきっかけだ。そこで講師をやっていたのが、現在のコーチでもある杉原良依氏。北爪は物心つく前から杉原コーチにエアロビクスの楽しさを学んでいた。
年齢に応じたクラスでエアロビクスに触れていた北爪は、小学1年からエアロビック競技を始めることになった。大会に出場し世界がどんどん広がることによって、楽しさはさらに倍増していった。
「小学1年か2年の時に、杉原先生と(群馬県から)北海道の大会に行ったのが一番印象に残っています。飛行機に乗って行ったんですが、恥ずかしい話、『どこから来たの』と聞かれて、『日本です』と答えてしまって(笑)。外国に行った気分だったんです。いろんな大会に行けることが楽しかったですね」
当時は年代別で日本のトップになる位置にはいなかったが、そこからめきめき上達し、小学校高学年の頃には各大会で優勝するまでに成長した。そして国内だけではなく、韓国、中国、アメリカなど、世界の大会にも出場するようになっていた。
世界のトップを争うなかにいることで、やはり数々の悔しい思いも経験してきた。
「小学6年か中学1年の時だったと思いますが、アメリカの大会に出場しました。予選は1位通過で、このままいけば優勝だったんですが、Vサポートという技を失敗してしまって、3位だったんです。その大会に向けて練習カレンダーを作って、たくさん練習して、とくにそのエレメントを重点的にやっていたのに失敗した。そこでメンタルの弱さを実感しましたし、日ごろの練習から見直さないといけないと思いました」
北爪はさらに練習に身を入れるとともに数々の実績を積み、世界トップクラスの実力を持つまでになった。しかしシニアの大会に出場し始めた2017年、19歳の時に、まさかの出来事が起こる。
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