FIFA女子W杯開幕まであと少し。テレビ東京『FOOT×BRAIN』で澤穂希×熊谷紗希が交わす「キャプテン論」

  • 早草紀子●文 text by hayakusa Noriko

 7月20日からFIFA女子ワールドカップがオーストラリアとニュージーランドで共同開催される。なかなか決まらずにいた日本での放送も開幕1週間前というタイミングで無事に決まり、あとは初戦を待つばかりだ。あらゆる角度からサッカー界を紐解くサッカー関連番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京)では2週に渡り、女子ワールドカップ応援企画を放送する。

新旧キャプテンの澤穂希さんと熊谷紗希選手が語り合った新旧キャプテンの澤穂希さんと熊谷紗希選手が語り合った 実はこの企画、なでしこジャパンを後押ししようと、2011年に世界一に輝いたレジェンドたちによる持ち込み企画なのだ。澤穂希さんが実際に選手たちと膝を突き合わせてインタビュー。阪口夢穂さんと丸山桂里奈さんはスタジオで番組を盛り上げた。そしてそれらをプロデュースし、ロケ時にはカンペ出しで進行を担ったのは宮間あやさん。錚々たるメンバーが全力サポートする前編は「キャプテンの継承」として、熊谷紗希選手&澤さんによる対談、そして若手の注目株の藤野あおば選手のインタビューが放送される。

 熊谷選手は、今のなでしこジャパンで唯一世界一を知る存在としてキャプテンを担い、自身4度目のワールドカップに挑む。放送ではピッチではいつも厳しい表情の熊谷選手が、信頼を寄せる澤さんに対して、終始リラックスした表情で語る姿にも注目だ。

 放送に先がけて、対談時に当時お互いにどんな印象を抱いていたかを語った場面を紹介する。

◇ ◇ ◇

熊谷「実は......私、アトランタ・ビート(2000年~2003年所属)でプレーしていた澤さんの密着番組をめっちゃ見てたんです。卒業文集に『将来、アトランタ・ビートでプレーする!』って書いたくらい(笑)」

「そうなんだ、初めて聞いた~」

熊谷「だって言ったことないですもん(笑)。だから最初はテレビの中の存在が澤さんでした。高校2年生でマッチ棒と呼ばれた頃(笑)、一緒にプレーさせてもらうようになってからは頼る人になりました」

「紗希は高校生で代表に来たんだよね。すっごい走れるから、高校で日々走ってるんだろうなって思ったのを覚えてる」

熊谷「私もあの時が一番走れたと思います。もうそっち(走り)で戦うしかないなっていう時期でした」

「でも、すぐに試合に出るようになったよね」

熊谷「なってないです、なってないです! どこの記憶が抜けてるんですか(笑)? 北京オリンピックあとに、磯さん(現:池田浩美)さんたちが引退されて、そこからです」

「そこからずっと第一線で活躍してるんだもんね。すごいことだよ。しかもキャプテン7年やってるんでしょ?」

熊谷「え、私が? 7年!?」

「そうだよ(笑)」

熊谷「ずっと下の世代をやらせてもらってて、そこから真ん中世代を経験せずに急に一番上になったんです。どうやってチームを作ったらいいんだろう?って考えてて、でも自分の形があってもいいだろうとキャプテンになった時から思っていました。何が正解かもわからないし、自分がやってきたことが正解かもわからないですけど......」

「でも年齢は一回り違うけど、一緒にプレーしててすごく声が出てたでしょ。その声に救われたこといっぱいあったよ。高さがあるから跳ね返してくれるし、すごく頼りにしてた」

熊谷「え? どうしよ、すっごいうれしい(ニコニコ)!」

 収録を終えた澤さんはこんな想いを抱いたという。

「先輩たちがいなくなって、紗希が背負うものは想像以上に大変。でも紗希ならできる!と思っているし、今まで経験してきたことをチームに還元して、紗希らしく悔いなくプレーで引っ張っていってほしいとさらに思いました」

キャプテンについて、守備について、チームについて――ワールドカップへの想いや葛藤などを語っている熊谷選手と澤さんの対談の詳細は7月15日の放送で。お楽しみに!

■番組情報
FOOT×BRAIN 女子W杯開幕!新旧なでしこ対談と勝利への"気づき"

【テレビ東京】
7月15日(土)24:55~25:25
【BSテレ東】
7月16日(日)26:10~26:40
https://www.tv-tokyo.co.jp/footbrain/

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