東京丸の内に架空の街が存在。三菱地所が手掛けるラグビーを活用した街づくりがなぜ人をひきつけるのか (3ページ目)

  • text by Sportiva

ラグビーファンの声を具現化

 ラグビーワールドカップが終わった2020年から三菱地所は、男女のラグビー日本代表のオフィシャルスポンサーになった。それまで企画を立案してきたラグビーワールドカップ2019プロジェクト推進室は、ラグビーマーケティング室に名称を変え、現在でもサポートし続けている。

 そして今年2023年9月に迫ったラグビーワールドカップのフランス大会に向け、ラグビーマーケティング室はすでに動き始めている。『丸の内15丁目プロジェクト』に登録している住民はすでに1万人を超えているが、その住民の声を生かした企画を次々実現してきている。

「たとえばキッチンカーです。丸の内ではリアルの施策はたくさんやってきましたが、『丸の内15丁目』の住民から丸の内を飛び出して、自分たちの街にも来てほしいという声があったので、キッチンカーを作りました。またリーチ マイケルさんがコーヒー好きだということで、本人も巻き込みながら、「リーチマイケルコーヒースタンド」も作って全国を回っています。

 さらに、この2月に『丸の内15丁目市場(いちば)』を立ち上げました。これはリアルの場ではなく、オンライン上にあります。私たちはラグビー関連のグッズを作っていますが、試合会場などでしか手に入らないんです。遠隔地の方々からほしいという声があったので、オンライン上でポイントをためれば購入できるようにしました」

 このポイントは、サイトにログイン、投稿、コメントなどをする毎にたまる仕組みなので、実質的には積極的に参加する住民へのプレゼントだ。今後も住民の声を実現していくような企画を行なっていく予定だ。

 これらはラグビー日本代表のスポンサーの枠組みを超えた、日本のラグビーファンのすそ野を広げていく施策で、一企業が行なうサポートとしては稀有なものだ。このような施策をする理由を高田氏に聞いてみた。

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