2019.02.20

Tリーグ・タイトルパートナー、
「ノジマ」の社長が描く卓球界の未来

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei
  • 田中亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

――野島社長は、ご自身も高校時代には卓球部に所属されていたそうですね。

「卓球台が自宅にある環境で育ったので、小さい頃からラケットを握る機会が多かったですね。20年ほど前までは、会社の休憩室にも卓球台を置いていました。私は観るよりも、自分がプレーするのが好きなので、今でも温泉に行けば卓球を楽しみますよ(笑)」

――野島社長の学生時代と比べ、卓球界の変化をどう捉えていますか?

「私は荻村伊智朗さんが好きでね。当時の日本は卓球が強くて、国内のスポーツの中でも目立っていましたよ。その後、中国が台頭したことで"卓球=中国"というイメージが浸透していった。国内での注目度が低くなり、温泉場の卓球台も減っていくといった様を見るのは悲しかったですね。

 しかし時代を追うに従って、松下チェアマンや福原愛さんが出てきて、少しずつ日本が盛り返してきた印象があります。現在は若手の有望な選手たちが先人の意志を継ぎ、活躍するいい時代を迎えているんじゃないでしょうか。東京で金メダルを獲得し、そしてノジマTリーグを転機にしてさらに伸びてくれると信じています」

――実際にノジマTリーグの試合をご覧になられて、気になったことはありますか?

「私は、感じたことはすぐ人に伝えるクセがあるんです。ジッとしていられないんですよ(笑)。だから試合を観戦した後も、松下チェアマンには9つの改善点を提案しました。例えば、マイクパフォーマンスやMCといったエンターテインメントの部分や、会場に来たお客様もプレーを楽しめるように卓球台を置くこと、などです。

 試合面でいえば、非常にスピードがあって、それを楽しめるのはすばらしいと感じました。それだけに、会場運営や応援、グッズ、飲食なども含めたホスピタリティ、お客様の視点に立つという面では足りない部分があるのではないかと。あとは、卓球ならではの魅力をどう訴求(そきゅう)するかということです」

――具体的にはどういった試みをしようと考えていますか?

「私が驚いたのは、卓球には個人スポーツの側面が強いにもかかわらず、世界中のどのリーグにも個人戦がないということでした。ノジマTリーグも現在は団体戦の形をとっていますが、ドイツのブンデスリーガ、中国の超級リーグもそうです。それなら賞金を出して、日本で個人戦を作ればいいんじゃないかと。

 テニスであれば、(国別対抗戦である)デビスカップもいいですが、全豪オープンやウインブルドンのシングルスも人々を惹きつけますよね。賞金を出せば世界中のトップ選手を招致できる可能性も出てくるし、応援に対するお客様の力の入り方も変わってくると思うんです。日本に世界中の選手が来たくなるようなリーグにするために、個人戦は必要なことだと捉えています。個人戦の導入により、結果的にリーグの認知度も高まるはずです」