福田正博「DAZNがサッカーファンの
『観戦力』を引き上げる」 (3ページ目)
――Jリーグ中継はピッチ周囲にカメラを最少でもJ1は9台、J2は6台、J3は4台を配置し、さらにコーナーにはスーパースロー、センターラインには監督の表情を撮れるカメラもあるそうですよ。
福田 映像のよさは、人間の目が追いきれないものを映すことだと思うんだ。サッカーで重要なのは、得点に至るまでにボールを持たない選手がどう動いたか。だけど、ボールと選手すべてを追いかけることは難しいから、いろいろな角度から撮ってリプレーで映像を流して解説者が補足することで、サッカーの本質が伝わっていくし、伝えたいと思っているよ。試合の熱気をスタジアムで感じながら、その場でスマホを使って詳細にプレーを見直すといった使い方もできるから、日本のサッカーファンの"サッカーを観る目"は、飛躍的に養われていくんじゃないかな。
――スーパースローカメラが、ゴール前の決定的なシーンで何をとらえるかも興味深いですね。
福田 表情まで映るから、最重要エリアでの戦いが克明にわかるだろうね。技術力、駆け引き、プロのすごさ、サッカーの奥深さ。そういうものが伝わるだろうね。やっぱり映像に優るものはないから。
センターラインに置かれるカメラも、選手がいいプレー、悪いプレーをしたときの監督の反応を映すことで、これまでなかったストーリー性を描けるかもしれないね。自分は監督の表情をつぶさにチェックしていて、そこから監督が選手や試合状況をどう把握しているか、わかったりする。海外の試合だと、たとえば正GKが監督との確執で試合から外されて、セカンドキーパーが試合中に危ないプレーをしたら、すかさず監督とその後方のベンチに座る正GKを一緒に映すんだよ。そういう部分でのサッカー中継の見せ方も発展していくことを期待しているよ。
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