わずか1点差。フォーミュラE・片山右京が語る「最終戦のみどころ」 (2ページ目)

――去年のロンドンは予選上位の選手が決勝でも上位に入りました。

 それだけオーバーテイクが難しいということです。さらに誰が途中に割って入るのか、第三者の動きによってもチャンピオンシップは変わります。皆がガチンコでやる中で壁であったり、天気であったり、そこに第三者も加わるわけです。予選では必ず5位、6位にはいなければいけないと思います。そこでミスをせず、高いハードルを越えて流れを作らなければいけないので、最初のフリー走行からレースを踏まえた速さだけではないセットアップが必要でしょう。
 さらにチームメイトの働きも大きく左右します。ディ・グラッシもタイトルがかかったレースになるので、ダニエル・アプトに「万が一の時は頼むぞ」という気持ちはあるでしょう(笑)。第三者の次の要素としてチームメイトもファステストラップ、ポールポジション争いから含めて大事になることは確かですね。順位で1ポイント差だったら、邪魔をするとか、そんな動きすら必要になるかもしれません。

――公園の中で葉っぱが落ちていて滑るシーンも予想されます。

 最後の最後にアクシデントもあります。例え後方にいたとしてもフォーミュラEにありがちなペナルティだってあるかもしれませんしね。

――昨年は最終戦でネルソン・ピケJr.が16番手から7番手まで追い上げて1ポイント差でチャンピオンシップを獲得しました。

 昨年のチャンピオンシップ争いはドラマチックを通り越して漫画のよう......というか(笑)。最終ラップの最終コーナーまでわかりませんでした。ライバル、第三者的なことも含めて、落ち葉、天候で変わるかもしれません。リスクの高いオーバーテイクもしにくいサーキットなので、僕としてはドライバーじゃなくて良かった、と思います(笑)。

――それだけレースを見ている方は楽しいですね。

 最先端の未来のためにあるレースであるのに、これほどドライバーが原始的な要素と戦わなければいけない、ということは他ではあまりありません。そこが魅力といえば魅力ですね。まだまだ整備されていないがために起こるハプニングも含めて魅力ではあります。シーズンも2年目、データをとり、様々な開発が始まっている中での意味あるチャンピオンが生まれるわけです。フォーミュラEの将来を見据えた重要なチャンピオンとなるでしょう。歴史的な瞬間といえるかもしれませんね。

【第9戦・最終戦 イギリス ロンドン大会 放送予定】
2016年7月2日(土)・3日(日)  
「フリー走行」
18:30~CSテレ朝チャンネル2
「予選」
19:50~CSテレ朝チャンネル2
「決勝」
23:50~CSテレ朝チャンネル2

【解説】
片山右京(元F1ドライバー)中野信治(元F1ドライバー)

「第9戦決勝ハイライト」 7月5日(火)23:00〜 BS朝日
「最終戦決勝ハイライト」 7月6日(水)23:00〜 BS朝日
「第9戦・最終戦 決勝ハイライト」 7月22日(金)深夜3:45~ テレビ朝日

詳しくはこちら>>http://www.tv-asahi.co.jp/formulae/

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