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「黒木知宏の娘という肩書がついて回るのは覚悟していた」 黒木芽依は「魂のエンターテイナー」を目指し格闘中 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

特技の「ノーラン・ライアン投げ」を披露する黒木芽依さん photo by Sano Miki特技の「ノーラン・ライアン投げ」を披露する黒木芽依さん photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る「私の性格的に、長くやり過ぎると、たぶん辞められなくなっちゃうので、3年ぐらいをメドにしていました。もう1年やるかどうかも迷いましたが、次のことをやりたい気持ちが強いうちに辞めないと、もう辞められない気がして......スパッと決断しました」

 父に報告すると「だいぶ厳しめに言われた記憶があります」と苦笑いを浮かべる。これまで以上に「黒木知宏の娘」という肩書が「倍以上にくる」と忠告された。それでも最後は「自分が好きでやりたい仕事をやれているのだから、そのありがたみを感じて頑張りなさい」と背中を押されたという。

【MEIから黒木芽依へ】

 そして昨年いっぱいで「M☆Splash!!」を卒業。年明けから芸能活動を本格化させた。2月にはロッテのキャンプ地である沖縄・石垣島を訪問。リポーターとして父を取材した。

「良くも悪くも、やりづらさはなかったです。関係上は父と娘なのですが、仕事上ではコーチとリポーターなので、いい意味で緊張感がありました。プロとして接してくれましたし、私がこの業界に入って初めてのお仕事が父だったので、それは本当によかったです。いろいろな人とのご縁があって、ダンスとは違うやりがいを感じています」

 昨年までの「MEI」から、「個人でやるからには名字もすべてさらけだしてやってしまおう」と、本名の「黒木芽依」に戻して活動する。今後は、野球をメインにMCやリポーター業をこなしながら、特技の「ノーラン・ライアン投げ」で、始球式登板への準備も万端。得意のダンスを広める活動や女優業にも意欲を見せるなど、「魂のエンターテイナー」を目指して日々精進する。

 最後に、黒木芽依にとって黒木知宏とはどんな存在か、訪ねてみた。

「いま生きている人物のなかで、一番尊敬している人です。言葉でも行動でも教えてみせてくれますし、どこをとっても、この人が言っていることに間違いはないなと思うので、本当にすごいなと思います」

 憧れの父のように、ファンに感動を与える唯一無二の存在へ。黒木芽依の新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。


黒木芽依(くろき・めい)/1999年1月19日、千葉県出身。3歳からクラシックバレエを始め、ジャズダンスや舞台など、さまざまなジャンルのダンスに挑戦。高校時代は野球部の夏の大会のチアリーダーも経験した。2021年の「M☆Splash!!」オーディションを受験し、募集200名の中から合格者の9名に残った。22年3月のオープン戦でデビューし、24年12月に卒業。M☆Splash!!在籍時は、パフォーマーとしてだけではなく、イベントMCやダンスのインストラクターとしても活躍。今後はダンスや野球の普及活動を中心にさまざまなことに挑戦していく。父はロッテに13年間所属し、最多勝1回、最高勝率1回を受賞した黒木知宏氏

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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