検索

「黒木知宏の娘という肩書がついて回るのは覚悟していた」 黒木芽依は「魂のエンターテイナー」を目指し格闘中 (2ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

ロッテのエースとして一時代を築いた黒木知宏氏 photo by Sankei Visualロッテのエースとして一時代を築いた黒木知宏氏 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る 幼少期からさまざまなダンスを経験していたことがプラスに働いた。大一番での勝負強さも、ロッテ一筋13年の現役生活で通算76勝を挙げた父譲りだ。合格の瞬間も「すごく嬉しかったですけど、感極まって泣くようなことはありませんでした。父は喜んでいましたね」と笑顔で振り返る。

【愛されキャラ"ジョニ子"誕生】

 そして2022年から、「MEI(めい)」名義で「M☆Splash!!」に加入。翌2023年には、父がロッテの投手コーチに就任し、ZOZOマリンスタジアムでまさかの「父娘共演」が実現した。

「父からは冗談交じりで『芽依のほうが1年先輩だから、よろしくね』と言われました(笑)。2023年は一軍の投手コーチとしてベンチの担当をしていたので、試合中にあまり会う機会はありませんでしたが、昨年はブルペンの担当だったので、私たちがライトゲートから出て行く時に会うことが多くなりました。最初は距離感を保っていましたが、何か勝手にくだけた思いになったのか、最後の方は『娘たち、頑張れ〜!』と、全員が娘のような感覚で、親身になって応援してくれました」

 父の愛称「ジョニー」になぞらえ、ファンからは「ジョニ子」と親しまれた。もちろん、「黒木知宏の娘」という肩書がついて回るのは「覚悟していた」という。それでも、圧倒的なダンスパフォーマンスや、スタジアム内でのファンサービスイベントを献身的にこなしていくうちに、いつしか「M☆Splash!!のMEIちゃん」というひとりのパフォーマーとして認められたことが「自分的には本当にうれしかった」と振り返る。

「M☆Splash!!では、プロとしての意識であったり、社会人としての視野の広がりを学ばせていただきました。ダンスチームではありますが、本当に多くのことを経験することができました」

 ダンス以外にも、人前で話すことが「楽しい」と思う自分を発見することができた。イベントでのフリートークが「面白い」「聞き取りやすい」と評判になり、徐々にMCやリポーター業に興味を示すようになる。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る