投資教育を学ぶ高校野球部生の素朴な疑問 「株式投資はプロにお任せ、はダメですか?」 (4ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

由紀「そして、投資信託を買った人たちは、運用してくれている人たちに対して報酬を払うというわけですね」
鈴木「でも、株式って値上がりするだけじゃなくて、値下がりすることもありますよね。投資信託も損をすることがあるってことですか?」

奥野「ふたりともさえてるねー。まさにそのとおり。

 まず由紀さんの指摘について説明すると、投資信託を買った人は、それを購入した窓口の金融機関、お金を運用してくれる投資信託会社、そしてファンドに組み入れられている株式などを管理してくれる信託銀行のそれぞれに、一定の報酬を支払う必要があるんだ。

 これは『運用管理費用(信託報酬)』と呼ばれていて、その率はファンドによって0.1%くらいから2.0%くらいのものまでかなり異なる。ファンドの中身をよく見て、自分が得られる価値(リターンと付加的なサービス)と価格(報酬)が見合っているかどうか、判断することが大事だね。あとは、購入した時、窓口となった金融機関に支払う『購入時手数料』や売却(解約)時に支払う『信託財産留保額』があるんだけど、最近はこれを取らない金融機関や投資信託も増えてきている。ひとまずは運用管理費用がかかるってことだけ、覚えてもらえればいいと思うよ。

 それと鈴木君が指摘したとおり、投資信託は預貯金と違って元本の保証はないし、個々のファンドによって運用成績もバラバラなんだ。株式と同じように、投資信託の値段(基準価額)も上下するから、自分が買った時の値段に比べて下がってしまうこともある。

 ただ、投資信託っていうのは基本的に自分で売買のタイミングを判断するものではなくて、その判断も含めてプロに任せるものだから、ファンドマネージャーが投資先を正しく選ぶことができるという前提が正しければ、いったんは下がっても、長期的には値段は上がっていく。ただし、その前提が正しいかどうか、つまりそのファンドマネージャーがどんな考え方・投資手法で、どんな投資先を選んでいて、結果的にどんな成績になっているのかは、定期的に確認しなければいけないね。

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