投資教育を学ぶ高校野球部生の素朴な疑問 「株式投資はプロにお任せ、はダメですか?」 (3ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

【身近な投資商品】

奥野「実は、投資信託って誰でも簡単に買えるんだ。昔は証券会社でしか売っていなかったんだけど、今では証券会社はもちろん、銀行でも、口座さえ持っていれば簡単に買えるんだよ。インターネット証券会社だったら、それこそ店舗まで足を運ばなくたって、パソコンやスマホで簡単に買えてしまう。そのくらい、投資信託って身近な投資商品なんだ。

 しかも、1万円程度から買うことができるし、積立投資といって毎月、指定した銀行口座からの引き落としで買い続けることもできる。インターネット証券会社だと、毎月100円からでも買いつけることができるから、君たちのお小遣いでも投資できるはずだよ。未成年の場合は親御さんの同意が要る場合もあるけどね。

 ただ、鈴木君が言ったように、確かに投資信託を買えばプロの運用者が企業を選んでポートフォリオを組んでくれるから、自分でどの企業に投資しようかなどと悩む必要はないんだけど、実は投資信託そのものも、たくさんあるんだよ。

 ひと言で『投資信託』と言っても、どういうふうに投資しているのかによって、その種類はさまざまに分かれているんだけど、ひとまずそれを無視して、いま運用されている本数だけを挙げると、6000本近くにもなるんだ。

鈴木「えー、そんななかから選ぶのって大変じゃないですか」
由紀「上場している企業の株式よりもたくさんの本数が運用されているんですね」

奥野「そうなんだよ。まあ、どんなものがあって、どうやって選ぶのかという話は、また別の機会にするとして、投資信託がどういう仕組みになっているのかということを、簡単に説明しておこうか。

 ファンドに組み入れる株式などを選ぶのは、投資信託の運用会社に所属しているファンドマネージャーと呼ばれる専門家で、その人が複数のスタッフとチームを組んで、投資先として有望な会社を常に探している。

 そして『これは!』という会社が見つかったら、そこの株式などに投資するんだけど、証券会社や銀行などを通じて大勢の人たちから集められたお金は、信託銀行という金融機関が預かっているんだ。だから、ファンドマネージャーはその信託銀行の担当者に、『どの会社の株式を買ってくれ』という指示を出す。そして信託銀行の担当者は、そのとおりに注文を執行し、買いつけた株式はすべて信託銀行に管理されているんだ。

 このようにして運用されている投資信託が、今の日本には6000本もあるというわけだ」

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