2022.06.16

20歳で46度の世界一のシゲキックス。ブレイキンの魅力は「肌の色とか、性別とか関係ない。みんなが仲間」

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

18歳で世界最高峰の大会を制したShigekix(シゲキックス)18歳で世界最高峰の大会を制したShigekix(シゲキックス) この記事に関連する写真を見る

パリ五輪金メダル候補

 2024年のパリ五輪でブレイキン(ブレイクダンス)が初採用される。ブレイキンとは、音楽のリズムに乗りながら、体のあらゆるところを使って、回ったり、跳ねたりとアクロバティックな動きを組み入れたダンスのことだ。よく知られているのが、背中や肩を使って床をくるくると回る「ウィンドミル」や、頭を軸に回転する「ヘッドスピン」。これらを踊るダンサーを、B-BOY(ビーボーイ)、B-GIRL(ビーガール)と呼ぶ。

 ブレイキンは、2018年にブエノスアイレスで開催されたユース五輪で初めて採用され、男子ではShigekix(シゲキックス、半井重幸)が銅メダルに輝いた。Shigekixは、2020年、18歳で全日本ブレイキン選手権を制し、さらに世界最高峰の戦い「Red Bull BC ONE World Final 2020」で世界チャンピオンに輝くなど、その名は世界に轟いている。パリ五輪でも金メダル有力候補だ。

 Shigekixがブレイキンを始めたのは、5~6歳の頃。「4つ上の姉(B-GIRLのAYANE)が先にブレイキンをやっていて、親が彼女の練習や大会に連れて行ってくれた」のがきっかけだ。最初はなかなか興味が湧かなかったというが、徐々にその魅力に惹かれていき、7歳の頃には見様見真似で踊っていたそうだ。「技の習得が楽しくてしかたなくて、次に何を練習すればいいか、先輩方に聞いていた」とShigekixは当時を振り返る。

 11歳の時にはすでにKIDS B-BOYシーンで名の知れた存在となり、世界大会で次々に優勝を手にする。年齢を重ねるごとに、その輝きは増し、弱冠20歳にしてなんと46度も世界の頂点に立っている。名実ともに唯一無二の存在となったShigekixだが、決しておごることはない。

「僕は世界一のタイトルを獲ってからも、それを嚙みしめることはあっても、一度も自分が世界一だと満足したことはありません。もっともっと自分の理想に近づきたいと思っていますし、もっとかっこいいB-BOYになりたいというピュアな気持ちがここ最近、とくに強くなりましたね」

 パリ五輪に向けても、慢心することはなく、「基本的に毎日踊っている」と練習に励む日々を過ごす。すでに大会への臨み方もイメージできている。