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岡副麻希がスーパーGT2020を振り返る。大混戦の舞台裏で耐えたこととは? (2ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

2020年シーズンを熱く振り返る岡副さん2020年シーズンを熱く振り返る岡副さん ところが、最終周の最終コーナーを立ち上がり、チェッカーフラッグ目前で平川選手のスープラがガス欠でスローダウン。山本選手のNSXがゴール目前でトップに立って優勝し、大逆転でシリーズチャンピオンを獲得するという、まさかの結末になりました。

 タイトルが決まった瞬間、レース前半を担当した牧野選手、チームのエンジニア、メカニックやスタッフ、レースクイーンら全員が号泣していました。レース直後、牧野選手にインタビューをした時には私も思わず泣きそうになりました。それでもレポーターという立場上、絶対に泣かないと決めていたので、何とか耐えました。

 シーズン終了後、山本選手にあらためてインタビューしたのですが、実はNSXも燃料が足りなくなるかもしれない状況だったそうです。それでも、タイトル獲得のために「リスクを覚悟で勝負した」と話していました。そして、山本選手は果敢に攻め続けましたが、ウインニングランの最中にTEAM KUNIMITSUのNSXもガス欠でストップ。まさにギリギリの勝負だったのです。

 最後の最後にこんなドラマがあるんだと驚きましたが、私は『SUPER GT+』の番組内でTEAM KUNIMITSUがタイトルを取るかもしれないと事前に予想していました。なぜ彼らを推したかといえば、現場取材を通してチームの一体感を目の当たりにしていたからです。

 第6戦・鈴鹿でTEAM KUNIMITSUのNSXはピットロードで、ニック・キャシディ選手がドライブするTGR TEAM KeePer TOM'Sに後ろからぶつけられる不運な事故がありました。NSXのリアは大きなダメージを受け、そのままリタイアすると思っていたのですが、マシンを修復してコースに戻りました。その時のドライバーやメカニックたちの絶対に諦めない姿勢や、チーム一丸で戦う姿を見て、何かやってくれるんじゃないかと感じていました。

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