2020.12.30

岡副麻希は見た。スーパーGTの監督たちの強烈なキャラクターと涙

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

岡副麻希が振り返るスーパーGT2020 後編

コロナ禍により約3カ月遅れで開幕した2020年のスーパーGTは大混戦の末、劇的な決着を迎えた。『SUPER GT+』(テレビ東京系列/毎週日曜23時30分〜)のリポーターを務め、シーズンを通してサーキットで取材した岡副麻希さんにインタビュー。後編では、現場で岡副さんが見たスーパーGTの舞台裏や人間ドラマを語ってくれた。

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『SUPER GT+』のリポーターを務めている岡副麻希さん 2020年シーズンは開幕時点ではトヨタ陣営が圧勝するのではないか、というぐらいスープラの前評判が高く、実際、開幕戦はスープラ勢が1位から5位までを独占。このまま独走するかと思われましたが、ホンダとニッサンの両陣営がレースを重ねるごとに速さを増し、最終戦・富士を迎えた時には10台にチャンピオンの可能性がある大混戦になりました。そんなシーズンになるとは開幕時は予想もしていませんでした。

 タイトル決定戦となった最終戦は劇的な展開となりましたが、第6戦の鈴鹿もドラマチックなレースとして印象に残っています。松田次生選手とロニー・クインタレッリ選手がドライブするNISMOのニッサンGTーRは予選のタイムアタック中にクラッシュを喫して、最後尾からのスタートになってしまいました。

 しかしレース中盤、クラッシュが発生してセーフティカーがコースインすると、絶妙なタイミングでピットイン。レースが再開すると、なんと松田選手のドライブするGT--Rがトップに立っていたのです。松田選手はそのまま後続を引き離して大逆転で優勝を飾ります。

 レース後、NISMOの鈴木豊監督や松田選手は涙を流していました。松田選手はスーパーGTで2度のチャンピオンに輝いていますが、その彼でさえ、2020年シーズンはニッサンのエースとして結果を出さなくてはならないプレッシャーの中で戦っていたんだと実感しました。この第6戦・鈴鹿や最終戦・富士を見ていると、「モータースポーツは最後まで諦めない者が勝つ」ということをあらためて認識しました。

岡山国際サーキットで開催された開幕戦。2020シーズン序盤はスープラ勢が優位だった