ミラン連勝。ブーイングを浴びても本田圭佑が使われ続ける理由

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2015~2016(5)

 シーズン前半のこの時期は、本田圭佑にとって難しいものとなりつつある。特にサポーターとの関係はとても微妙だ。土曜日の夜(9月19日)に行なわれたサンシーロでのパレルモ戦で、本田は79分に交代、彼の代わりにはポーリが入った。

パレルモ戦に先発、79分までプレーした本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)パレルモ戦に先発、79分までプレーした本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) 本田がピッチを去る際のミラニスタの反応は、大きく二つに割れていた。多くの拍手も聞こえたが、同時に多くのブーイングも浴びせられたのだ。ブーイングをした方のサポーターは、本田のことを、今のミハイロビッチ・ミランのフォーメーションの中で一番危うい箇所、アキレスの踵(かかと)として見ている。ミハイロビッチは彼をバッカ、ルイス・アドリアーノの2トップの後ろに配置しているが、本田はいまだ彼らしいプレーができず、ミランの攻撃に火をつけることができない。

 試合前の記者会見で、ミハイロビッチは本田の現状をこのように語っていた。

「本田は真のプロフェッショナルで、ボールを持っていない時は自分を犠牲にしたプレーをしている。メンタル面で殻を破る必要があるが、いいものは持っているのだ」

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