吉田麻也がプレミアで生き残るために掲げた「ふたつの課題」
「自分の仕事は、(メンフィス・)デパイをしっかり止めることだったので、そこに関しては悪くなかったと思いますが、もちろん失点もしているし、ミスもありました。残念です」
試合後のミックスゾーンで、サウサンプトンの吉田麻也は厳しい表情を浮かべながら、こうつぶやいた。
メンフィス・デパイ(左)への対応は悪くなかった吉田麻也(右)だったが...... 9月20日に行なわれたマンチェスター・ユナイテッドとの一戦。2試合ぶりに先発に復帰した吉田は、対峙する左MFの「デパイ対策」として、4−2−3−1の右サイドバックに入った。
前半はそのデパイをうまくマークしながら、守備の安定に貢献していた。オランダ代表ウィンガーのデパイがドリブルを仕掛けてきても、安易に飛び込まず、十分に間合いをとって対応。ドリブルが大きくなったところでボールを奪い、与えられた役割をしっかりとこなしていた。左サイドのタッチライン際に張るデパイを注視しながら、必要とあれば中央に絞って他のアタッカーをケアするなど、ポジショニングも的確だった。位置取りを押し上げてパスワークに参加することで、攻撃面でも寄与していた。
ところが、たったひとつのミスで暗転してしまう。吉田の言う「ミス」とは、50分の場面。サイドの密集地帯でこぼれ球を拾うと、バックパスを選択。しかしパスが短くなり、敵の19歳FWアントニー・マルシャルにボールを奪われ、失点してしまった。ゴール後、思わず天を仰いだ吉田。試合は1−1で均衡していただけに、その後の流れを決定づける手痛い失点となった。
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