ドイツ1部参戦、ケルンのサッカーを変えた長澤和輝

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei
  • photo by Getty Images

「試合に出て、評価もそんなに悪くなかったですし、ベストイレブンにも選ばれたりしたので、できたことの方が多かったんじゃないかなと思います」

 5月、2013~2014シーズン最終戦を終えた長澤和輝は、プロとしての初めての、それも海外でのシーズンをそう評価していた。

ケルンでブンデス1部に初挑戦する長澤和輝ケルンでブンデス1部に初挑戦する長澤和輝 ドイツ2部へと渡りレギュラー奪取、そして2部優勝を成し遂げて1部昇格という結果は新人選手としては十分すぎるものだろう。

 何より長澤はケルンの人々を驚かせた。3季ぶりの1部復帰、そして2部優勝を決めた夜、喜びが爆発するケルンの街で、興奮したファンが私の姿を見つけるとニコニコしながら話しかけてきた。

「日本人だよね? ナガザワ(ドイツ語では単音の「s」を濁音で発音するため「サ」ではなく「ザ」と読む)は素晴らしい選手だね! 彼はこの前まで日本の大学でプレイしていたんだろう? まだ若いし今シーズンは控えだと思っていたんだけど、こんなにすぐレギュラーを獲るなんて驚きだよ!」

 この半年で「ナガザワ」という日本人の名はケルンの街に知れ渡った。

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