池江璃花子の勇姿に刺激。「本番に強い小堀倭加」が五輪でメダルを狙う (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 小堀はインターハイ、日本選手権、世界ジュニア選手権などで優勝や入賞を続け、3年時の日本選手権では400mと1500mで2位。同年夏のパンパシフィック選手権では400m、800m、1500mのすべてで自己ベストを更新して、400mと1500mでは日本高校記録を塗り替えた。さらに、その1週間後のアジア大会では800mで自己ベストを更新し、1500mと合わせて2つの銅メダルを獲得した。

 この頃、小堀にはそれまでと異なる意識が芽生えてきたという。

「高校1年で結果が出始めた時は、まだ日本を引っ張っていける選手ではないと思っていたんです。でも、パンパシやアジア大会に出てからは、自分が日本を背負っていかないといけないと思うようになりました」

 女子自由形中長距離の第一人者になった小堀は、日本大学に進学。刺激的な仲間とともによりハードな練習をこなしていくことになる。

その仲間のひとりが池江璃花子だった。

 小堀と池江が初めて出会ったのは、中学1年の時の代表合宿だった。

「当時からすごすぎて、近寄れない感じでした」

 高校時代にもジュニアの代表合宿で一緒になり、池江とは同部屋だった。

「(池江は)日本のトップスイマーになっていたので、同じ歳だったんですけど、どうやって話しかけていいのかわからなくて......最初は敬語で話をしていました(笑)」

 池江は短距離、小堀は中長距離とステージは違うが、同じ自由形。東京五輪に向けて、お互い高めていこうと誓い合っていた。しかし2年前、池江は白血病を患い、競技を離れて治療に専念することになった。

「璃花子ちゃんが自由形をずっと引っ張ってきてくれたので、病気の話を聞いた時はもっと自分が頑張らないといけない、自分が自由形を引っ張っていこうという気持ちが強くなりました。日本選手権の前に璃花子ちゃんから『頑張って』と連絡をくれて、すごく励みになりました」

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