2020.07.01

康介さんを手ぶらで帰すな。後輩たちの感謝の気持ちが生んだ銀メダル

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

PLAYBACK! オリンピック名勝負------蘇る記憶 第34回

スポーツファンの興奮と感動を生み出す祭典・オリンピック。この連載では、テレビにかじりついて応援した、あの時の名シーン、名勝負を振り返ります。

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ロンドン五輪・競泳男子400mメドレーリレーで銀メダル獲得が決まり喜ぶ北島康介ら日本チームメンバー

 水泳のメドレーリレーは、4人の選手たちがそれぞれ異なる4泳法でつないでいく競技だ。世界大会では最終日に行なわれ、各国の総合力の高さが示される種目でもある。2012年ロンドン五輪は、日本男子が過去最高順位の2位に入って銀メダルを獲得。それは、2000年代から日本の競泳を牽引し、新たな歴史を作り上げてきた北島康介にとって、集大成といえるメダルだった。

 北島は08年北京五輪後、しばらくの休養期間を経て、アメリカを拠点に競技を再開。09年11月20日の東京スイミングセンタージュニア優秀選手招待公認記録会(東スイ招待)で復帰を果たした。10年のパンパシフィック選手権は、100m平泳ぎで優勝。予選は59秒04の好タイムを出して1位通過だった。200mも決勝で2分08秒36の大会新記録で勝利し、2冠を獲得した。この両タイムはともに同年の世界ランキング1位記録で、復活のアピールに十分な内容だった。

 翌11年、中国で開催された世界選手権は、現地で体調を崩した影響もあって100mは1分00秒03で4位。200mは、ラスト50mでダニエル・ギュルタ(ハンガリー)に逆転されて2分08秒63の2位という結果に終わった。

 だが、五輪イヤーの12年になると底力を見せつけた。4月の日本選手権では最初の種目だった100mを58秒90の日本記録で制し、200mも非高速水着の世界最高記録となる2分08秒00で優勝。4回目の五輪へ駒を進めた。