2014.04.15

4冠達成。萩野の成長が「日本競泳界」に与えるインパクト

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORT,Nakamura Hiroyuki

 4月10日から13日まで行なわれた日本選手権水泳競技大会は、今年も萩野公介の大会になった。2012年ロンドン五輪の男子400m個人メドレーで銅メダルを獲得した萩野は、昨年のこの大会で5冠を達成。今年も6種目に出場すると、背泳ぎは100m、200mとも2位で優勝種目は昨年よりひとつ減ったが、400m自由形と200m個人メドレーでは日本記録を樹立。400m個人メドレー以外は自己ベストを更新した。

萩野公介 日本選手権水泳競技大会 成績
4月10日 400m個人メドレー/優勝/4:07.88
4月11日 200m自由形/優勝/1:45.89(自己ベスト)
100m背泳ぎ/2位/53.08(自己ベスト)
4月12日 400m自由形/優勝/3:43.90(日本新)
200m個人メドレー/優勝/1:55.38(日本新) 
4月13日 200m背泳ぎ/2位/1:54.23(自己ベスト)

「400m個人メドレーの最後の自由形で失速してしまったのが一番悔しいですね。初日にそれがあったけど、去年に比べれば4日間通して力を出し切ることが少しはできたと思うので、そこは成長できたところだと思います」

200m、400m個人メドレー、200m、400m自由形を制して、4冠達成の萩野公介(写真右) 今年の萩野はバタフライの強化に重点を置いてきた。その成果が初日の400m個人メドレーでさっそく表れ、最初の100mは自身の持つ日本記録より0秒87速いペースの55秒45。だがそこで力を使い過ぎたため、最後の自由形では「自分が何をしているのかわからないくらいになってしまった」という泳ぎでタイムを落とし、日本記録に0秒27届かなかった(4分7秒88)。

 彼が目標にしていた記録は、ロンドン五輪のライアン・ロクテ(アメリカ)の優勝タイムの4分5秒18前後。「バタフライであのくらいの泳ぎをしなければ、海外の選手にはついていけない。あの泳ぎを続けたうえで、後半の平泳ぎや自由形を強化できるようにしたい」という。

 それは1分55秒38の日本記録を出した200m個人メドレーでも同じだ。世界記録はロクテの1分54秒00で、昨年の7月の世界選手権のロクテの優勝タイムは1分54秒98。萩野がターゲットにするタイムはそのレベルなのだ。