4冠達成。萩野の成長が「日本競泳界」に与えるインパクト (3ページ目)
「ケガで泳げない時期が長かったので、今は本当に楽しく泳げているし、スピードの出し方がわかるようになったのが良くなったところだと思います。200mでは連覇を意識して最後の50mはバタついてしまったけど、そこを直せばもっと記録を伸ばせると思います。僕の持っている日本記録は100mも200mも高速水着(が許可されていたころ)の09年のもので、ここ最近は『今の水着のベストを』と考えて、その記録から目を背けているところもありました。でもやっと、自分の記録と向き合えるようになってきました」(入江)
また、昨年の世界選手権400m個人メドレーで優勝した瀬戸大也は、小学生時代から萩野を意識し続け、刺激を与え合っている選手。彼も萩野と同じように多種目への挑戦を始め、昨年の日本選手権でも個人メドレー2種目の他、200m自由形と200m平泳ぎ、200mバタフライに出場していた。
同世代のライバルとして切磋琢磨を続ける萩野公介(写真左)と瀬戸大也(右) 瀬戸は今年、200m個人メドレーでは2位の藤森太将に0秒15負けて代表入りを逃したが、200mバタフライで初優勝。200m自由形でも4位に入ってリレーでの代表入りを決めた。さらに「去年の世界選手権の800mリレーで予選に使ってもらい、個人メドレーとは違う、日本代表としてリレーを泳ぐ事の誇りを感じた。だからリオ五輪までにスプリントを強化して、メドレーリレーでも代表になりたい」と意欲を口にしており、同世代の萩野を目標にすることで、世界がハッキリと見えてきたようだ。
200mバタフライでは、萩野や瀬戸と同学年の平井健太も、派遣標準記録を破って2位になり代表入りを決めた。また、同じく彼らと同学年で、今回代表内定を逃した平泳ぎの山口観弘(平泳ぎ200m世界記録保持者)も、6月のジャパンオープンでの巻き返しを図る。
萩野の成長に刺激を受けた同世代だけでなく、ベテランも進化していき、萩野の活躍が日本競泳界全体にインパクトを与えていく。そんな「萩野効果」とでも言うべき構図がリオデジャネイロ五輪まで続きそうな気配だ。
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