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【水泳】萩野公介「入江(陵介)さんを越え、フェルプス選手を目標に」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Igarashi Kazuhiro

 個人メドレーでは瀬戸だけでなく、先輩でも400mには堀端、200mには高桑健という五輪代表選手がいる。その中で各2枠の代表権を争う厳しい戦いだが、萩野はそれをも歓迎する。「厳しいことを乗り越えてこそ、先にあるものが光って見えると思いますから。しっかりとそういうものをつかむためにも頑張っていきたい」と。

「今の個人メドレーはフェルプス選手やロクテ選手がそうだったように、得意種目では世界のトップに立つくらいでなければ勝てないと思います。だからそんな選手になって、大也や山口たちと早くメドレーリレーを組んでみたいですね。ロンドン五輪で先輩たちが銀メダルを獲る姿を生で見させてもらって本当に感動したし、自分も将来はリレーを泳げる選手になりたいと思いましたから。大也がバタフライをやって、僕は背泳ぎですね。だから最終的には入江さん(陵介。ロンドン五輪100m3位、200m2位)を超えないと、日本の一番や世界のトップクラスにはなれない。しっかりと、それを目標に頑張っていきたいと思います」

 競泳選手として萩野が目標にするのは、北京五輪で8冠を獲得したフェルプスのようなタフな選手だという。背泳ぎの選手が個人メドレーで金メダルを獲るのは難しいが、元々が個人メドレーの選手は、そこで金を獲るために背泳ぎでも金を獲れるくらいの力が必要になる。そう考えれば個人メドレーを専門種目にしたというのは、他の種目で活躍するチャンスをより多く持っているということになる、と夢を大きく広げるのだ。

「今、僕がもっと速くなるために一番重要なのは、バタフライの強化でしょうね。世界にいって僕が56秒8で最初のバタフライを泳いでも、トップは体一個半くらい前にいる状態ですから。それだけ差をつけられたら、いくら背泳ぎやほかの種目が強くても勝てない。それに僕の場合は苦手な平泳ぎが残っているから、バタフライと背泳ぎでいかに速くいけるかがカギになりますね」

 もう一つの目標にしている200m個人メドレーは、まだ力が足りないのでしっかりとトレーニングしていかなければと言い、単種目では今後、背泳ぎだけでなく200mと400m自由形にも挑戦していきたいという。

「やっぱり次のリオ五輪では400m個人メドレーだけではなく、背泳ぎや自由形でも頑張って金を獲りたいな、と思います。日本にも世界にも強い選手はいっぱいいるけど、その人たちに勝つというのがまた、僕の練習の糧になるので、しっかりと頑張っていきたいと思います。フェルプス選手は引退しても僕の中ではずっとトップ選手であり続けるので、そういう選手になることを目標にしていきたいですね」

 初出場のロンドン五輪で銅メダルを獲得して、萩野の夢はさらに大きく膨らみ始めた。

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