【大学駅伝】原晋監督が口にした「没落の危機」 青山学院大は全日本大学駅伝で逆襲できるか? (3ページ目)
【人材はそろっているが、果たして】
では、今年はどうだろう。
心強いのは、前回6区で区間賞の飯田(3年)が残っていることだ。昨年は出雲の3区で区間10位に終わっていたが、全日本には仕上げて6区で区間賞を獲得。今年も出雲では同じ3区で区間11位とふるわなかったが、同じ流れと見てよく、今年は重点区間を任されることになるだろう。
そのほかにも前回は8区を担当し、今年は日本選手権にも出場した小河原陽琉(3年)、前回の箱根駅伝4区で、当初は走る予定がなかったにもかかわらず、"代役"で結果を出した平松享祐(4年)らが候補に挙がってくる。いずれも後半区間を区間上位でまとめる力を持っている。人材はいるのだ。
ただし、彼らが力を発揮するためには前半区間で優勝争いにしっかりと絡むことが重要だ。11km台と短く、トラックのスピードが生かせる2区から4区で、早稲田、中央に食らいついていけるかがポイントになる。その意味で、出雲の1区で区間2位と好走した石川浩輝(2年)が重要な役割を担うことになるだろう。
ただ、こう書いてきて気づいたのは、昨年度の黒田朝日の存在があまりに大きかったことだ。昨年の出雲駅伝も5区まではチームが10位と低空飛行だったところを、アンカーの黒田が7位に引き上げた。昨年と今年の出雲の内容を比較すれば、5区までは大差がなかったのだ。
同様に、昨年の全日本では黒田が7区で5位から2位へと浮上させ、箱根では5区で常識を破壊する走りで3連覇を引き寄せた。
黒田は正真正銘のゲームチェンジャーだった。
今回の全日本で、青山学院は間違いなく浮上してくる。ただし、インパクトを出せるかどうかは不透明だ。黒田朝日というゲームチェンジャーの抜けた穴を、誰が埋めるのか。
勝負となる6区から8区までを青山学院がどうつないでいくのか、原監督の采配と、出雲からのリベンジを期す選手たちの仕上がりに注目したい。
著者プロフィール
生島 淳 (いくしま・じゅん)
スポーツジャーナリスト。1967年宮城県気仙沼市生まれ。早稲田大学卒業後、博報堂に入社。勤務しながら執筆を始め、1999年に独立。ラグビーW杯、五輪ともに7度の取材経験を誇る一方、歌舞伎、講談では神田伯山など、伝統芸能の原稿も手掛ける。最新刊に「箱根駅伝に魅せられて」(角川新書)。その他に「箱根駅伝ナイン・ストーリーズ」(文春文庫)、「エディー・ジョーンズとの対話 コーチングとは信じること」(文藝春秋)など。Xアカウント @meganedo
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