帝京大・楠岡由浩が箱根駅伝の悔しさを糧に日本選手権5000mで躍動 チームの歴史を切り開くエースの意地 (3ページ目)
【自身の成長はチームへの刺激に】
楠岡を指導する中野孝行監督も、初の大舞台で力走した教え子を称えていた。
「全員の前で感想を話してもらったんですけど、『抵抗することはできたんじゃないかって感じた』と言っていました。世界への第一歩だってプレッシャーをかけていましたが、彼はすごく悔しさを感じてくれた。『よく頑張った』って、本当に久しぶりに褒めました」
帝京大駅伝競走部の歴史上、在学中に5000mで日本選手権に出場するのは楠岡がチーム史上初めて。これまでにも楠岡は、チームで初めて10000m27分台をマークするなど、チームの歴史を切り開いてきたが、また新たな1ページにその名を刻んだ。
「入賞は最低限したかったんですけど、自分が出ることで、今後は日本選手権が当たり前のようなチームになっていければいいなと思っています。その一歩目としては良かったです。自分はあまりいろいろ語るタイプではないんですけど、今回の日本選手権の僕の予選や決勝の走りを見て、(チームメイトが)何かを感じてくれればと思います」
7月には中国・オルドスで開催されるU23アジア選手権に10000mで日本代表として出場する。今季副将を務める楠岡は、その背中でチームを引っ張る。
今シーズンを迎えて、楠岡と浅川侑大(4年)のほかにはなかなか目立った活躍がなかったが、帝京大は、箱根駅伝で過去最高順位を上回る総合3位以内をチーム目標に掲げている。もちろん現状では厳しい目標だ。だが、チームの歴史に数々の足跡を刻んできた楠岡が在籍しているからこそ、箱根駅伝でも期待せずにはいられない。何より楠岡の奮闘ぶりは、チームメイトをも勇気づけたに違いない。
著者プロフィール
和田悟志 (わだ・さとし)
1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。
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