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【部活やろうぜ!】三浦龍司の「ちょっと濃すぎる」洛南高校時代 3000m障害ランナーとして築いた礎と他部活の生徒からも刺激を受けた寮生活 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 村上匠吾●写真 photo by Murakami Shogo

【高校記録連発と当時は「別次元」だった留学生の存在】

三浦龍司は高校時代の成長で世界を目指す意識が芽生えたと振り返る photo by Murakami Shogo三浦龍司は高校時代の成長で世界を目指す意識が芽生えたと振り返る photo by Murakami Shogo

 高3になると、6月の近畿大会で30年もの間破られずにいた3000m障害の高校記録を一気に5秒以上も更新し、8分39秒49の新記録を打ち立てた。

 当初は「陸上自体は大学生まででひと区切りをつけよう」と考えていたというが、競技レベルが上がるごとに、自然と目線も上がっていき、その考えも変わっていった。そんな三浦が「ひとつ大きな転換期だった」と言うのが、高3で臨んだ初めての日本選手権だった。

「たぶんあそこのなかで、僕が一番ドキドキしていたと思います。大舞台に自分が足を踏み出したっていう感覚があった大会でした」

 三浦は日本選手権の予選で再び高校記録を更新(8分39秒37)し決勝進出を果たすと、決勝でも堂々とした走りを見せて5位に入賞した。

 そんな三浦でも、同じ高校生にどうしても勝てない相手がいた。岡山・倉敷高のケニア人留学生、フィレモン・キプラガット(現・愛三工業)だ。キプラガットは1年目からインターハイで8分21秒30の大会記録で優勝しており、この種目で史上初の3連覇を果たした選手だ。

「あの世代で、あのキプラガットの記録はレベルが違いすぎた。目標にしようとすら思えなかったですね。僕らは8分40秒を切れるかどうかっていうところでヒイヒイ言っているのに、彼は1年生で8分21秒でしたから。完全に別物と捉えていました」

 三浦は高校時代、キプラガットに圧倒され続けた。高校記録保持者として臨んだ最後のインターハイも30秒近い大差をつけられて2位に終わっている。その1年後、大学生になった三浦はキプラガットについに勝利を収めるのだが......それはまた別の話だ。

 洛南高といえば、長距離のみならず、トラック&フィールドの強豪校でもある。三浦が高校3年生の時にはインターハイで2年ぶり8度目の総合優勝を成し遂げた。もちろん三浦の活躍は、チームの大きな力になった。

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