【箱根駅伝2026】國學院大が描く初優勝へのシナリオ 「5人のジョーカー」を中心に、「必ず対等の勝負ができる」充実の選手層をどう生かすか? (2ページ目)
【前田監督が重きを置くスターター候補】
1区を希望するのは全日本の1区で区間3位と好走した尾熊迅斗(2年)をはじめ、11月の上尾ハーフマラソンで1時間01分30秒と奮起した嘉数純平(4年)ら複数いる。なかでも、勢いに乗っているのは青木。全日本大学駅伝の7区で区間9位と沈んだものの、上尾ハーフでは1時間00分45秒と自己ベストを更新して優勝している。前田監督には「こんなもんじゃないところを見せてくれ」とハッパをかけられ、期待に応えてみせた。本人は2区への思いを口にしつつ、スターターを担うことも頭に入れていた。カギとなる終盤のラストスパートには自信を持っている。
「これまでの3大駅伝を振り返っても、自分が1区でいい流れをつくると、チームは勝てています。どの区間でも総合優勝するために自分の役割を果たしたいと思います」
1年時に大手町のスタートラインに立ち、コースを熟知しているのも大きなメリット。2連覇した出雲駅伝ではいずれも1区を務めており、実績は十分である。
エース区間の2区は、主将の上原が志願している。全日本では最終8区で失速したが、ハーフマラソンの自己ベスト1時間00分30秒はチーム随一。伊勢路で苦しんだ差し込みの対策に力を入れ、体幹を鍛え直しているという。11月はレースに出走せずに自らの課題と向き合ってきた。取り組んでいるのは、ハイペースで突っ込んだあとのスピード持久力。2区では1km2分50秒を切るペースで押していくイメージを持つ。
「(差し込みの)怖さはないです。やるしかないので。2区では1時間6分半を切らないと話にならないと思っています」
3年連続で箱根路を走ってきた高山も2区へ思いをはせる。粘り強さには定評があり、1年時と2年時は復路を任され、3年時は5区を担当。前回は山上りで区間14位と力を発揮できなかったが、起伏に富むコースに苦手意識はない。難所の権太坂、終盤の『戸塚の壁』がポイントとなる2区のコース適性は備えている。仮に2区で耐える戦略を立てれば、可能性もある。単独走の強みを生かすのであれば、復路での起用もあるか。
3区は今季チーム内で最も勢いに乗る野中が有力候補。出雲、全日本ではともに3区で留学生と対等にわたり合い、それぞれ区間2位、区間賞を獲得するなど、チームの原動力に。11月22日の八王子ロングディスタンス10000mでは日本人学生歴代6位となる27分36秒64をマークし、箱根に向けて順調に調子を上げてきている。
特定区間への思い入れが、誰よりも強いのは辻原。神奈川県二宮町で生まれ育ち、平塚から小田原までの20.9kmは完璧に頭のなかに入っている。中学生の頃から4区で区間賞を取ることを夢見てきた。塾の終わりに憧れの箱根路を走って、帰宅したこともある。年齢を重ねるたびに4区への思いを募らせ、その願望はいまも変わらない。
1年時は4区で区間4位、2年時は同じコースの7区で区間2位。細かいアップダウンの続くコースは自らの脚質に合っているという。
「4区で区間賞という目標はずっと変わらないですし、ブレない。僕はメンタルによって走りが大きく変わる選手でもあるので、4区ならより『いくぞ』という気持ちになれます」
希望と適性が合致している好例だろう。全日本の2区で区間9位と苦い経験を積み、精神的にもたくましくなっている。
「駅伝の借りは駅伝で返すしかない。僕のなかでは全日本の走りがキーポイントになっています。相当、迷惑をかけてしまい、気持ちが切り替わりました」
2 / 3

