【箱根駅伝2026】「"5強"崩し」「3位以上」を目指す創価大、全日本で露呈した課題の克服に「残り2カ月、すべてを箱根に注げるか」 (2ページ目)
【吉田響の抜けた穴をどう埋めるのか】
「厳しい結果ですね。現実を突きつけられた感じがします」
レース後、2区を走った小池は、神妙な表情でそう言った。
「全日本に向けて、出雲を走った6人はまとめきれるというか、計算が立ったと思いますけど、残りふたりのメドがなかなか立たなかった。そのことを考えると、(目標)5位(以上)への下方修正は妥当だったと思いますし、それすら達成できなかったので力不足を感じています。このままだと『箱根3位(以上)』という目標は非常に危ういというか、かなり厳しいです」
ひとりで大きな貯金をつくってくれた大エースの吉田響(現・サンベルクス)が卒業した今季、創価大はその穴を埋めるべく、選手個々のレベルアップに注力。トラックシーズン、出雲駅伝と結果を出してきた。実際、出雲組の6人は"5強"の主力と比べても遜色はないだろう。
だが、その6人がそろって力を発揮できなければ、また、7人目以降の選手の押し上げがなければ、チームとして吉田響の穴を埋めきれない。小池はこう語る。
「昨年の全日本は4位だったのですが、今回は響さんのような大エースがいないので、順位を押し上げられず、どんどん後退せざるを得ない駅伝になってしまいました。響さんの不在がいろんなところに影響して、結果にも出ていますし、やらなければならない中間層の底上げがうまくいかなかった。僕ら上級生も、1区間でもトップを獲るとか、そういう勢いのある走りをしないと"5強"と言われる大学には歯が立たない。そこは僕自身も大きく反省しています」
その小池について、榎木監督は「響のように力でねじ伏せる走りができていませんが、まだ成長の余地がある」と今後に期待をかけるが、主力と中間層の差と、チーム内の競争意識について尋ねると、厳しい表情を浮かべた。
「(全日本の5区と6区は)出雲以降、タイムトライアルや10000mのレースを見るなかで選考したのですが、自分で勝ち取ったというよりも、こちらが拾い上げないといけない状況でした。本来はもっと競争の激しいところから選手を選べるチームづくりをしないといけない。それができなかったのが、この結果につながっていると思います」
ただ、箱根に向けて、期待できる材料もある。今後のレースや記録会で中間層の競争、選考が本格化していくなか、これまで故障を抱えていたり、調子を落としていたりして、今季の駅伝に絡めていない選手たちが復帰する見込みがあるからだ。例えば、昨年の出雲と全日本を駆けた黒木陽向(4年)、前回の箱根1区に出場した齊藤大空(3年)、同じく前回の箱根8区を走った石丸修那(2年)。さらには山(5区、6区)の候補もいる。彼らがそろえば、戦えるオーダーを組める。
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