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【箱根駅伝2026】「"5強"崩し」「3位以上」を目指す創価大、全日本で露呈した課題の克服に「残り2カ月、すべてを箱根に注げるか」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

【「ここなんですよ、うちの問題は」】

 一方で、出雲を走った6人のレギュラー陣について、刺激がない状態は健全ではない。過度の競争は消耗するだけだが、かといって"凪"のままではチーム自体も成長が望めない。

 小池は、こう語る。

「出雲組の6人は『俺らは全日本も走るよ』と、出るのが当たり前の意識になっていました。ここなんですよね、問題は。駒大や國學院大、青学大の選手たちは、いつ自分がレギュラーを外されてもおかしくないという自覚と危機感を持ってやれていると思います。

 でも、うちは競争がほとんどなく、その意識が芽生えてこない。自分が奮起すればいいのですが、それだけではチーム全体は盛り上がらないんです。やっぱり競争しているなかで、(選手個々が)『自分がやるんだ』とならないとチームは成長しないですし、駅伝では勝てないんですよ。もっとそういう危機感を持って、取り組んでいかないといけないと思います」

 小池が放つ熱は、チームを発火させるだろうか。ここでほかの選手が何も感じなければ、箱根でも目標の下方修正を迫られることになる。

 榎木監督は、選手個々の"箱根への想い"が試されると見ている。

「出雲、全日本と、ふたつの駅伝を終えて、選手自身が感じたことが多々あると思います。それを練習に落としこんで、どれだけ苦しいことに耐えていけるか。この2カ月は生活のすべてを箱根駅伝に注ぐくらいの意識でやっていかないといけない。そこが足りていないから7位という結果になる。選手がどう受け止めて箱根までやっていくか、ですね」

 全日本での苦い結果を受け、創価大はどう変わるのだろう――。

著者プロフィール

  • 佐藤俊

    佐藤俊 (さとう・しゅん)

    1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

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