【箱根駅伝2026】予選会10位滑り込みの立教大、エース欠場の激震も「順位はよくないけど、次につながる」 (2ページ目)
【学生は気持ちひとつで変われる】
國安は「原田、野口(颯汰)ら3年生と、山下(翔吾・2年)ががんばってくれました。みんな、夏合宿ぐらいからかなり力をつけてくれたので、今回の予選会通過は彼らの成長があったからこそだと思います」と、2、3年生の健闘に笑顔を見せた。
原田は全体20位、野口は67位、山下は90位と、いずれも100番以内に入った。國安は33位、小倉史也(4年)は44位、吉屋佑晟(4年)は55位と、4年生もしっかりと結果を出した。夏前のトラックシーズンは、馬場以外に目立つ選手がいなかったが、國安や原田をはじめ、夏合宿が大きなきっかけになり、選手はまとまり始めた。
髙林監督は言う。
「夏前とかは、目標への解像度が明確じゃなかったんです。箱根でシードを獲りたいけど、なんとなくがんばっていれば近づくみたいに考えていた。生活面や練習への取り組みなど、他大学が当たり前にやっていることを聞いた時、明らかに自分たちとはギャップがあったので、そこの解像度を高めていこうと、夏に仕切り直しをしたんです。そこからしっかりトレーニングを積めて、チームがひとつになってきましたし、今、持っている力をだいぶ出せるようになってきました。
でも、ベースというか、地力をもっと上げていかないといけない。成長はしているけど、今の成長曲線だと、目標とするところはまだ先にある。そこを今後、どう上げていくか。今回の結果とどうつなげていくのかが大事だと思っています」
自分たちも成長しているが、他大学の選手たちも成長している。上位校の選手と同じ成長曲線では、いつまで経っても追いつけないし、戦えない。
「成長の速度をより加速させるには、成長曲線をブレイクスルーさせるきっかけが必要なんです。今回の予選会もそうでし、(11月の)全日本大学駅伝がそういう場になります。実際、学生は気持ちひとつで変われるんですよ。
今回走った野口は2年生の時は、70分かかっていたんです。でも、『俺、何やってんだろう。意識を変えてチャレンジしてみよう』と努力したんです。そうしたら、今回は1時間03分22秒で走った。それだけ人って変れるんです。そう思えるきっかけの場を与えていきたいと思っています」
原田は、この予選会がそのきっかけになったと語っていたが、他の選手たちにもチャレンジする姿勢が見えた。馬場が欠場したことで、「自分がやるしかない」と覚悟を決めて走った結果が10位滑り込みにつながった。
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