大学駅伝シーズンに向け強さを見せた中央大エース・溜池一太「学生記録を破るだけでは満足できない」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

 関東インカレ5000mでは6位、6月2日の日体大長距離記録会5000mでは13分34秒09の自己ベストをマークし、U20日本選手権の5000mでは4位。自己ベストを出した後、疲れが出て思うように走れなかったが、千歳大会前の1週間で状態を上げて臨んだ。

「タイム的には13分20秒を切りたかったのですが、まだまだですね。夏合宿に向けてはラストスパートを磨いていきたいです。関東インカレもU20日本選手権もラストで負けているので。あとは、箱根予選会に向けてハーフに対応できる体づくりをしていきたいです。予選会は今回トップを獲った先輩を始め、強い方ばかりなので負けないように優勝チームの一員になりたいと思っています」

 箱根駅伝では藤原監督やお世話になった先輩、高校や中学の時の監督に恩返しをするためにエース区間を走る姿を見せたいという。

「箱根駅伝はすごい先輩方ばかりで厳しいですけど、2区を走りたいです」

 坂への適性もあり、自信満々の表情を見せる岡田だが、戦略上、彼が2区を走ることができれば、今年の中央大は相当強力な区間配置が実現しそうだ。

【溜池一太は世界を見据える】

 エースの溜池は5000mの各組で躍動する選手を見て、「自分も」と気持ちを駆り立てられたという。

「柴田と本間がトップを獲って、吉中も2番、岡田もがんばっていい流れができていたので、自分も負けられないというのはアップの時から思っていました」

 溜池はホクレン網走大会10000mで自己ベストを更新、調子のよさをこのレースでも見せ、5000mA組でスタートから積極的に攻めて、外国人選手の集団に入って勝負をした。しかし、ラスト400mを越えると駒澤大の篠原倖太郎(4年)に抜かれ、13分28秒29の6位でフィニッシュした。

「レースは自分がエースなので駒澤の篠原さんに勝たないといけなかったですし、5000mも10000mも佐藤圭汰君にも届かないので、そこに並ぶようにならないといけない。彼らに自分が勝たないとチームが勝てないと思うんです。それに来年の東京世界陸上はポイントではなく、参加標準記録突破で行きたいんです。そのためには現状に満足せず、上を目指してやっていきたいです」

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