「面白い選手はいっぱいいる」立教大・髙林祐介新監督が目指す箱根駅伝シード権獲得、そして「いずれは母校の駒澤大と肩を並べたい」 (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【自分の色は意識していない】

ーースピード重視からの転換ということでしょうか?

 転換ではないです。スピードはあっても、(体力面も含めた)下地があるかないかが大事。1週間のなかにはスピード練習ももちろんしますが、たとえば、朝練習や月曜日や土曜日にはちょっと長めの快調走やロング走を行ない、しっかりベースをつくったうえで、スピードを出力できる状態をつくっていきたい。

 これまでジョグは完全に各自で行なっていたので、次の日にポイント練習(※負荷の高い実戦に近いペースで行なう練習)があったら、15分とか30分走っただけで終わることもあったようです。でも、練習のための練習ではいけない。体がきついからといって、スピード練習に合わせるためにジョグを休むといったことはなくしたい。

 今は移行期なので、ジョグの場合、たとえば、12kmから15kmと距離に幅を持たせて、そのなかで自分の体調に合わせて選んでもらうようにしています。なので、彼らからしたら、全体的に練習量が増えていると感じているかもしれません。

 基本的に練習は提示しますが、選手に決めさせるようにしています。結局、自分の体のことをわからなければ走れません。箱根駅伝だって運営管理車から声をかけることはできますが、自分で判断しなければいけない場面はある。そこに目を向けてほしいですね。

ーーその地固めができてから、髙林監督の色というか、新たにチームの方向性が定まってくるのでしょうか?

 そうですね。下地がないと、頭打ちになっちゃうので。でも、私の色っていうのは、あんまり意識はしていないですけどね。

 駒澤大しかり、自分が所属したトヨタ自動車しかり、いろんなトップチームで見てきたものを柔軟に取り入れてやっているような感じなので、私の色というのは正直、あんまりないですよ。(チームカラーの)紫が薄くなったぐらいです(笑)。

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