東洋大学「鉄紺の覚醒」のダブルキーマン・梅崎蓮 & 石田洸介 地道に力をつけた主将とスーパーランナー復活までの道のり (2ページ目)

  • 牧野 豊●取材・構成 text by Makino Yutaka
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

【お互いの第一印象】

――さて、これまでの3年間についておうかがいします。おふたりが入学した当時は、石田選手が5000mの高校記録を持つスーパールーキーとして学生長距離界全体でも注目を集めていましたが、梅崎選手は石田選手をどのように見ていたのですか。

梅崎 やっぱり強い選手だったので、多くのことを吸収したい気持ちと負けたくない気持ちはありました。

――高校2年のインターハイ(2019年沖縄大会)では5000m決勝で一緒に走っています。石田選手が9位、梅崎選手が14位でしたが、当時から互いに互いを認識していましたか?

梅崎 自分は、認識していました。

石田 自分は、申し訳ないですけど(笑)。そのインターハイ以外でも走っていたのですが、(梅崎のことを)はっきり認識したのは高校最後の都大路(全国高校駅伝)の時です。

梅崎 レベルが違いすぎましたからね。

――都大路では1区で走って、この時は梅崎選手が11位、石田選手が14位でした。

石田 自分は最初から飛び出していったのですが、最後の1kmくらいで(梅崎に)抜かされて。その瞬間の写真や記事がメディアに掲載されたくらいでしたから、そこで、おっ、と。

――ふたりとも、互いに東洋大に進学することを知ったのはいつごろですか?

梅崎 東洋大への進学は夏ごろに決めたのですが、石田が入ってくるのを知ったのはそのあとで、あ、入ってくるんだなと。

石田 自分は、都大路の時ですね。直接話したわけではないのですが、大会後にいろいろ情報が耳に入ってきて、チームメートになることを認識しました。

――お互いの第一印象ってどんな感じでしたか。

梅崎 コツコツと集中して取り組む選手だと思いましたし、普段の生活でも、オンとオフの切り替えがはっきりしている印象でした。

石田 梅崎は物静かだったので、打ち解けて話せるようになるには時間がかかるタイプなのかなと。練習では起伏がなく、いい意味で淡々と取り組む印象でした。ケガも少なく、継続して練習を積めるタイプの選手なのかというものでした。

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