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箱根駅伝のシード権争いを駅伝ツウの西村菜那子が占う 上位にいく大学、「台風の目」となりそうな大学も挙げた (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【シード権の「台風の目」は?】

 そして、シード権争いで「台風の目になる」と西村さんが期待しているのが大東文化大だ。箱根予選会は2年連続のトップ通過。全日本大学駅伝は7位に食い込み、18年ぶりにシード権を獲得している。

「大東大の注目は佐竹勇樹選手(4年)です。全日本は1区で区間5位。前回の箱根は山下りの6区を区間6位と好走しました。今回も6区なら前回以上の走りが期待できると思います。

 5区も前回は菊地駿介選手(4年)が区間12位でした。爆発的に強い選手がいるわけではありませんが、ここ数年で全体的にレベルを上げてきたイメージです。ピーター・ワンジル選手(3年)がしっかり走ればかなり面白いと思いますね。往路は厳しいかもしれませんが、復路で上げてくるんじゃないでしょうか。真名子圭監督の采配も楽しみです」

 大東大に続いて、順天堂大もシード権を獲得すると読んでいる。

「順大は、私と同じ長野県出身の吉岡大翔選手(1年)に期待しています。彼が高校を卒業する前日にインタビューしているんですけど、『大学駅伝では1区を走りたい』という熱い思いを聞きました。出雲は1区で伸びませんでしたが、箱根は1区で攻めの走りをしてほしいです。あと、三浦龍司選手(4年)はハマれば絶対に結果を出してくれる選手。日本を代表するエースランナーなので、花の2区が似合うのかなと思います」

 西村さんのシミュレーションでは、シード圏内の枠は残り1校。かなり頭を悩ませながら、「10位は帝京大かな......」と予想した。

「シード権は帝京大、東洋大、東海大あたりが最後の1枠を争うんじゃないかなと思います。その中では、全日本では3区で5位まで上がった帝京大が、最後の1枠に滑り込むんじゃないでしょうか。東洋大は石田洸介選手(3年)がエントリーから外れましたし、ちょっと厳しい戦いになりそうです。東海大はエース石原翔太郎選手(4年)、主将・越陽汰選手(3年)の復活次第でしょうか」

 ただ、近年は各校のレベルが拮抗している。他にもシード権争いに加わりそうな大学がたくさありそうだ。

「国士舘大は山本雷我選手(4年)が『激坂最速王決定戦 登りの部』で優勝。前々回が5区13位、前回が5区11位。今回は5区で上げてくると思います。また、山梨学院大の弓削征慶選手(2年)は同大会で山本選手と8秒差の2位に入りました。両校はケニア人留学生もいますし、シード権争いに加わるかもしれません。

 個人的には、陸上競技部のプロモーションビデオに出演させていただいた縁のある立教大に期待しています。今回は環境の変化もあったと思いますが、前回(18位)より大幅アップしてくれることでしょう」

 2024年の箱根駅伝は100回目のメモリアル大会。過去最多タイの23校が出場する華やかなレースになるが、西村さんは運命のめぐり合わせを感じているという。

「1年時から活躍している三浦龍司選手、吉居大和選手、石原翔太郎選手といったスター揃いの学年の最終ステージで第100回大会を迎えることが、彼らの持っている大きな運だなと思います。有力選手たちの学生駅伝"ラストラン"が本当に楽しみです!」

【プロフィール】
西村菜那子(にしむら・ななこ)

1997年8月11生まれ。長野県出身。2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で箱根駅伝を見るようになり、現在は大学駅伝だけでなく、あらゆる駅伝大会に精通している。2022年9月にNGT48を卒業し、舞台など活動の幅を広げている。

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