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田澤廉との合宿で「何ひとつ勝てなかった」と刺激 学生ハーフ優勝の駒澤大・篠原倖太朗「エースには自分がならないと」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

【好調の要因は練習を完璧にこなせていること】

 充実した表情から、好調さが伝わってくる。

 箱根駅伝は3区2位で駆け、駒澤大の総合優勝と学生駅伝3冠達成に貢献した。その後、2月の丸亀国際ハーフで男子ハーフマラソンの日本人学生新記録(1時間0分11秒)を達成し、強さを見せつけた。そして、今回の学生ハーフ優勝と波に乗っている。ここまでレースで結果を出すことができているのは、何が要因として挙げられるのだろうか。

「そもそも自分は、(レースを)あまり外さないので、いつもどおりに走った結果だと思いますが、大事にしていることはスタートラインに立つまでの気持ちです。やっぱり勝ちたいと思わないと勝てないので、絶対に勝つという気持ちでスタートラインに立つようにしていて、そのためには練習を完璧にこなすことが重要になってきます。そこができていないと不安要素が出てきてしまうので、練習がしっかりできていることが僕にとってはすごく重要ですね」

 外さない男──。2022-2023シーズンは、その名のとおり結果を出し続けた。5000m、1万mともに自己ベストを更新し、全日本大学駅伝では5区2位で優勝に貢献した。そして、箱根、丸亀、今回と続いている。安定感が抜群だが、そういう選手は監督にとって非常に頼りになるし、欠かせない重要なピースになる。

 ただ、篠原は学生ハーフに勝ったからと言っても、まったく浮ついた感じがない。自分の視野の先には、越えるべき存在が明確に見えているからだ。

「田澤さんがハーフを走ったら自分の学生記録なんて、とっくに越えられていると思うんです。形だけ一応学生記録を持っていますけど、自分が一番だなんて思うことはないですね。田澤さんのほうが圧倒的に強いので」

 自分の立ち位置を勘違いせずに謙虚に競技に取り組む。これは篠原の性格もあるのだろうが、"田澤効果"であることは間違いない。

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