神野大地が箱根駅伝で注目したランナー5人とその走りを分析。「めちゃくちゃ攻めの走りで衝撃的」だった1年生とは?

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロ

★吉田響(東海大1年)
 吉田選手は、静岡県出身で、一緒に練習しているスズキの先輩から「彼は高校時代からアップダウンのあるロードでいいタイムで走っていた。目立たないけど、安定して結果を出している選手」という話を聞いていたので楽しみにしていたのですが、そのとおりでしたね。5区で17位で襷をもらって、その位置から区間2位の走りで10位までもっていったのは、相当力がないとできないですし、ランナーとしての強さを感じました。

 走り方の特徴としては、僕もそうなんですけど、しっかりと腕を振って、腕でリズムを取る感じです。体つきもちょっと自分に似て、細くて身長もそんなにない(161cm)ですけど、腕を使った推進力で山を走れていたので、今回、5人のランナーを選ぶにあたって、同じ5区を走った若林宏樹選手(青学大1年)と迷ったのですが、より吉田選手が上りの適性があるのではと思ってあげさせていただきました。

 若林選手も力感がないフォームでよいペースで走れていたという意味では適性があるのだと思いますが、すり足というかあまり足が上がらないフォームでした。

 山の神と言われている今井正人さん、柏原竜二さん、僕は上りでも比較的足が上がるタイプで、且つ柏原さんと僕は腕振りも大きくその推進力を活かして走るフォームです。吉田選手は、軽さを生かしてグイグイ上っていて、腕振りも含めてフォームの共通点もあるように思いました。襷を受けた位置や1年生ということを考えるとまだ伸びしろがありますし、次回、東海大が出場できれば、区間記録の70分25秒を超える走りも期待できそうです。タイム的には今井さんが記録した69分12秒(距離変更前の記録)がひとつの目安になると思います。レース展開的にもチームを往路優勝に導く圧倒的な走りを見せれば、「4代目山の神」が見えてくるでしょう。

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