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神野大地が箱根駅伝で注目したランナー5人とその走りを分析。「めちゃくちゃ攻めの走りで衝撃的」だった1年生とは? (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by アフロ

★平林清澄(國學院大1年)
 出雲駅伝でアンカーを走る(区間5位)姿を見た時は、衝撃的でした。僕が中学生の時のような細い体つきなんですけど、めちゃくちゃ攻めの走りをしていたんです。全日本大学駅伝でも7区3位という結果を出し、箱根駅伝では9区でした。この時は、10位で襷を受けてシード権ぎりぎりのレース展開をしていたんですけど、区間2位の走りで5位に順位を押し上げてシード権をほぼ確実しました。1年生ながら3大駅伝すべてで大事な区間を任され、しかも1本だけではなく、3本のレースすべてで結果を出したのは本当に力がある証拠です。実際、1年生が3大駅伝全てを走るのは、体力的に非常にきついです。

 それに試合の走りを見るだけで、日常が思い浮かぶ選手ってほとんどいないです。

 平林選手の出雲駅伝の走りを見た時は、他の選手もみんな努力しているけど、彼の努力や陸上に対する熱量はまた一段階違うのではないかと思わされました。きっとラクなほうに流されることもないでしょうし、学年があがっていくごとに周囲に与える影響がどんどん大きくなっていくと思います。今後の走りがすごく楽しみなので、インスタを僕からフォローしたんです。すぐに平林くんからフォロー返しがあったんですが今、そのくらい一番気になる選手です。

★太田蒼生(青学大1年)
 以前から太田選手のことは、かなり自分に自信を持っているタイプで、出雲駅伝や全日本大学駅伝の選考の時は、「自分は走れるので監督、選んでください」というぐらいの自信、勢いがある選手だと聞いていました。出雲と全日本では出走はなかったので、彼の自信が本物なのかわからなかったですし、箱根駅伝で3区にエントリーされた時は、正直、当日の区間変更もあるのかなと思ってしまいました。

 でも、箱根での走りを見ると、本当に自信があったんだろうなって思いましたね。

 東京国際大の丹所選手にすぐに追いつかれたのですが、慌てなかった。自分ができるレースをちゃんと理解して、追いつかれるのは想定していたかのように、落ち着いたクレバーな走りをしていました。ラストもすごかった。残り1キロ地点でラストスパートをかけるならわかるんです。でも、丹所選手のペースも落ちていないなか、残り3キロからスパートをかけるのは、相当自信がないとできない。しかも丹所選手の前に出た時、ちょっと笑っていましたからね。あれを見た時は、普通の選手じゃ終わらないだろうなって思いました。実際、太田選手は、見ている景色が田澤選手のようにちょっと違うようです。1年生でマラソンに挑戦したいと考えているようで、そういう選手はかつて青学大にはいなかった。これから学生界のなかにとどまらない活躍を見せてほしいですね。

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