順天堂大、箱根駅伝はロケットスタートか。スーパールーキー2人に注目 (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 全日本大学駅伝は5区で、八千代松陰高時代のチームメイト・佐藤一世(青学大)に抜かれて区間5位。悔しい結果に終わっているだけに、箱根への気持ちは高まっている。石井は積極的な走りが持ち味で、単独でもハイペースで切り込んでいける選手だが、本人は3区を希望している。

 そして長門監督から「1年でもっとも伸びた選手」として名前が挙がるのが野村優作(2年)だ。予選会はチーム2番手の個人12位(1時間1分51秒)、全日本大学駅伝は4区で区間3位(区間新)と好走した。長門監督は1区・三浦、2区・野村、3区・石井というオーダーを考えているようだ。1区・三浦のロケットスタートを生かして、上位校に絡んでいきたい。

 チームの課題は前回、真砂春希(4年)が区間14位に終わった山上りの5区になる。選手層が厚いチームだけに、山をうまく乗り切ることができれば復路で反撃できるはずだ。今季はコロナ禍でほとんどのロードレースが通常開催されなかったため、箱根駅伝の基準距離となるハーフマラソンを走っていない選手が例年より多い。しかし、順天堂大はハーフマラソンコースの予選会に出場しており、なおかつ最高の結果を残しているのは、シード校にはない強みになるだろう。

 チームの目標は「5位以内」。長門監督は、「少しでも長い時間、5強(青学大、東海大、駒澤大、明治大、早稲田大)に食い下がれるように、前半から流れに乗っていきたい」とアグレッシブなレース展開を期待している。箱根予選会では1~3年生がチーム1~8番目に入っており、今大会をステップにできれば、来季はさらなる高みを目指すことができるだろう。

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