神野大地マラソン人生の第2章がスタート。新コーチは元五輪ランナー (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

 では、新しいコーチとして誰にお願いするのか。高木コーチと話し合うなかで候補のひとりとして挙げられたのが、藤原新(あらた)だった。

 藤原は2012年ロンドン五輪にマラソン男子代表として出場し、その後はプロランナーとして活躍した。現在は、スズキアスリートクラブのヘッドコーチを務めている。

 神野は「藤原さんなら」と思うところがあった。

「藤原さんとはケニアで何回かお話しさせてもらっていたんです。走った回数や結果もそうですが、マラソンについてこれだけ知識がある人はなかなかいないというぐらい勉強されているなと感じていました。

 それに藤原さんは速筋よりも遅筋タイプで、体型的にも僕に似ているんです。僕らのチームに足りなかった経験や知識を補うという点でもそうですし、僕に合ったメニューを考えてくれるのかなと思って、まずは4月、5月の2カ月間、一緒にやってみようということでスタートしました」

 一方の藤原は、神野からオファーを受けた時、戸惑いがあったという。それでも引き受けた理由はなんだったのか。

「チーム神野の話では、彼らにはないマラソンのノウハウが僕にはあると。僕もそのノウハウを提供したいと思い、会社に承諾を取って引き受けさせていただきました。ただ、僕はコーチとして新米みたいなものですし(2019年4月からスタート)、引き出しもまだない。僕がすべて教えるというよりは、一緒に探っていきながら成長していく考えでいますし、やるからには成功してほしいと思っています」

 藤原は練習メニューを考えるにあたり、神野の過去の練習データをチェックし、何が足りないのか、どうすれば強く、タフになれるかを考えたという。

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