箱根連覇へ東海大が描く青写真。
監督は4年生ふたりをキーマンに指名 (2ページ目)
一方、駅伝シーズン、結果を出せなかった主力の鬼塚翔太(4年)は八王子ロングディスタンス1万mで28分37秒36というタイムを出して調子を取り戻し、キャプテンの館澤亨次(4年)についても、両角監督は「心配していない」と言う。
「館澤は、上尾ハーフをトレーニングの一環として走らせ、現状どこまで戻ってきているか確認をしたんですけど、悪くないので箱根へのゴーサインを出しました。10人のなかに今は入っています」
館澤が走れる状態に戻ってきているのは非常に大きい。責任感の強い選手だけに、箱根当日には完璧に仕上げて、「東海の駅伝男」らしい走りを見せてくれるだろう。
このように今年は下級生が調子を維持し、最後にきて4年生の役者が揃ってきたので、チームの選手層はより厚みと強みを増した。關と中島の現状を考えると、両角監督の決断は箱根連覇のためには当然と言えるものだろう。
ただ、まだ100%ではない。
「今年は4年生が今ひとつ元気のない年になってしまった。そのなかで阪口(竜平)と松尾(淳之介)が箱根でどこまで踏ん張れるのか。4年生で言えば、このふたりがポイントになりそうです」
両角監督は、箱根のキーマンとして、2人の名前を挙げた。それは両角監督がイメージするレース展開にふたりの存在が欠かせないからだ。
「ウチとしては前回大会で優勝した時のようなレースパターンを考えています。往路は勢いがあるチームがいる。そこでどのくらいの差でいけるかなって感じなので、前半から先頭を走るイメージはないです。うちは復路の中盤で逆転していけるような展開にもっていかないとダメだなって思っています」
往路を耐え、復路で勝負を賭ける。
昨年見せた東海大の必勝パターンである。そのために復路では絶対的なスピードと勝負強さを兼ね備えた選手が必要になる。阪口竜平(4年)は7区、8区、9区とどこでも強さを見せるだろうし、松尾淳之介(4年)も9区10区あたりで粘りのある走りを見せてレースをフィッシュさせる役割を果たすことができる。区間エントリーにふたりの名前があれば、チームは完全に整ったとみていいだろう。
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