五輪マラソンの東京コース、
幻と消えた「絶好のフリー観戦ポイント」 (2ページ目)
* * *
9月15日に開催されたMGC──。
まだ新国立競技場が完成していないため、スタートとゴール地点を明治神宮外苑に設定した以外、五輪本番と同じコースを走るこのレースは、選手だけでなく、競技関係者にボランティア、さらには沿道から応援する観客たちにとっても、まさに来年の五輪をひと足先に疑似体験できる絶好の場でもあった。
そんななか、Sportiva編集部はMGCの全コースをチェック。生観戦ポイントとして、①同じ場所にいて3回観戦できる場所、②東京の名所と一緒にレースを楽しめる場所、③公共の交通手段で移動しながら数ヵ所で応援できる場所を事前にピックアップ、それらの条件を満たすポイントに実際に足を運んでみた。
まずは、①の選手たちを3回観戦できる場所。そのひとつが「神保町交差点」になる。ここでは、スタートから元気よく走る序盤の選手たちだけでなく、中盤から後半にかけての駆け引きをする選手たち、そして終盤を迎えてゴールに向かって最後の力を振り絞る選手たちを見ることができる。
選手が3回通るため大人気だった神保町交差点
当然、多くのマラソンファンの観客たちもそのことを知っており、交差点の最前列を確保していた人は「朝の6時から場所取りをしていた」とのこと。
同様に「日本橋交差点」も選手たちが3回通過することもあって、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と、レースが進んでいくにつれ、どんどんと人が増えていく。
このことから、「神保町交差点」と「日本橋交差点」は、もしかするとスタート地点やゴール地点よりも熱く盛り上がる観戦スポットだったと言えるのではないだろうか。
続いて、②の東京の名所には、コース上の「雷門」と「スカイツリー」「東京タワー」「皇居」が当てはまる。
浅草の「雷門」の前を走る選手たちと、浅草から見える「スカイツリー」を背景に走る選手たちが、インスタ映えするのは間違いない。MGCの当日は、レースを観戦しに来ていたマラソンファンと、インバウンドで日本観光に訪れていた外国人たちが入り乱れ、当初は大混雑していたが、最終的には多くの外国人たちがにわかマラソンファンになって選手たちに大きな声援を送ってくれていた。
2 / 4