2019.11.22

箱根連覇を目指す東海大に衝撃!
あの優勝メンバーにいったい何が…?

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by MATSUO.K/AFLO SPORT,Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第70

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 上尾ハーフは、東海大の選手にとって箱根駅伝をかけた最後の選考レースである。全日本大学駅伝に出場した選手は基本的に参加しないが、それ以外の選手にとってはラストチャンスになる。はたして、誰が箱根駅伝に挑戦する権利を得るのか──

 ひとつの興味はそこにあったが、もうひとつは気になるふたりの選手の出走だった。關颯人(4年)と中島怜利(4年)が、レースの舞台に戻ってくると聞いていたのだ。

今年1月の箱根駅伝で6区を任され、区間2位の走りを見せた東海大・中島怜利 中島を見かけないことに気がついたのは夏合宿だった。朝練習の前に必ず全員が集合するのだが、そこに中島の姿がなかった。2年生や3年生であれば、実業団の合宿に参加するケースはあるが、進路が決まった4年生がそこに行くことは稀で、夏の全体合宿に姿が見えないのは不自然だった。

 初めて中島の悩む姿を見たのは、今年5月の仙台国際ハーフだった。ロード組として鈴木雄太(3年)らと出場したが、タイム(6837秒)も内容も今ひとつで、中島は肩を落として待機場所に座っていた。もともと明るい性格で、大の負けず嫌い。2年の箱根駅伝発表会の時は、鬼塚翔太や關ら主力選手との人気格差に愕然とし、「6区で結果を出して、来年はあの人気をひっくり返してやる」と気を吐く選手だった。そんな選手が、魂を抜かれたように静かだった。

「箱根が終わってから調子も気持ちも上がらずといった感じで、結果もついてこないですね。とくにケガとかはないのですが、練習も積めていないですし、落ち込むというか……ちょっと焦っています」

 昨年の出雲駅伝で3区を任され、ブレーキになった時待機所のベンチにポツンとひとりで座り、ずっと下を見つめていた。その時は原因がはっきりしていたので、「そこからはい上がるだけ」と心に決め、その後は意欲的に練習に取りんだ。その結果、上尾ハーフで6位に入賞し、箱根に戻ってきた。

 だが今回は、その時とは様子が異なる。気持ちも調子も上がらず、その原因も把握できていない様子だった。