2019.11.21

箱根駅伝で「秘密兵器」となるか。
優勝候補の東海大に1年の新星現る

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第69回

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 上尾シティハーフで、東海大にまた新たな戦力が加わった。ルーキーの松崎咲人(さきと/1年)である。62分11秒の4位。内容も突っ込んで攻めるレースを見せ、西出仁明(のりあき)コーチも「前半引っ張って、後半は粘れた。62分台とタイムもよかった」と表情を崩すほど、見事な走りを見せた。

 もっとも松崎本人は「タイムは狙っていなかったので、こんなものかって感じです」と冷静に語るなど、大物ぶりを漂わせていた。

上尾ハーフで好走した東海大1年の松崎咲人(写真左)と2年の市村朋樹 松崎は佐久長聖高校(長野)1年の時、5000mで14分11秒と高校トップレベルの記録を出し、全国高校駅伝の2区で区間賞を獲るなど、一躍注目される存在になった。高校2年の時は中谷雄飛(現・早稲田大)が引っ張るチームで全国高校駅伝の3区を走り、優勝に貢献した。

 都道府県対抗駅伝では1区で区間2位という走りを見せ、日本クロカンでは3位。トラックよりもロードで強さを発揮する選手として、両角速(もろずみ・はやし)監督は早くから目をつけていた。

 東海大入学後は、夏を終えてから頭角を現し、10月の日体大記録会の1万mでは29分29秒56で自己ベストを更新。全日本大学駅伝は6区にエントリーされていたが、当日変更で郡司陽大(あきひろ/4年)に代わった。

 ただ、両角監督は「松崎は調子がよかったので走らせたかった」とレース後に漏らすほど、高く評価していた。

 その松崎だが、当日変更に悔しい思いを抱いていた。

「僕の調子以上に郡司さんとか、ほかの選手の調子がよくて、それ以外の交代理由はないです。でも、悔しかったです。走りたかった。その悔しさをこのレース(上尾ハーフ)にぶつけたというのはあります」

 東海大は上尾ハーフを箱根駅伝の選考レースと位置づけており、これまで部内の成績上位者は箱根を走っている。

 3年前は鬼塚翔太が3位、松尾淳之介が8位に入り、箱根でも鬼塚が1区、松尾は4区を走った。昨年は中島怜利(れいり)が6位、阪口竜平(りょうへい)が7位となり、箱根は中島が6区、阪口が7区で好走し、初優勝に貢献した。