2019.11.07

「黄金世代」から「黄金トリオ」へ。
箱根連覇へ東海大の3年生が好調だ

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第68回

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 全日本大学駅伝は、東海大が16年ぶり2度目の優勝を飾った。

 青学大とアンカー勝負になり、名取燎太(3年)が4キロ過ぎに逆転し、そのまま逃げ切った。2位の青学大に1分44秒差をつける完勝だった。

 大会MVPを獲得するなど、今大会の主役の演じた名取をはじめ、塩澤稀夕、西田壮志の3年生トリオが各区間ですばらしい走りを見せ、優勝に貢献した。今や3人はチームの中軸となり、黄金世代に刺激を与えられる存在になった。まさに黄金世代ならぬ”黄金トリオ”の誕生である。

全日本大学駅伝制覇に貢献した(写真左から)塩澤稀夕、名取燎太、西田壮志の3人 3区の塩澤が西川雄一朗(4年)から襷を受けた時は6位。トップを走る東京国際大との差は23秒だった。

 3区は激戦区で、2位をいく駒澤大は神戸駿介(3年)、4位の国学院大は藤木宏太(2年)、5位の青学大は神林勇太(3年)、そして11位と出遅れた東洋大はエースの相澤晃(4年)だった。

 塩澤は、出雲駅伝で相澤と同じ3区を走り、並走していくなかでその強さを肌で感じただけに、「いずれ前にくるだろう」と想定していたが、その時はすぐに訪れた。スタートして4キロ手前、うしろから猛烈なスピードで追い上げてくる風のような音を聞いた。

「うしろから相澤さんが来た時、抜かれてもしっかりついていくと頭では理解できていたんです。でも、一瞬で抜かれて、力の差がありすぎて何もできなかった。悔しさはもちろんありますけど、あらためて次元が違うと感じました。来年、もっともっと強くならないといけないなって思いましたね」

 それでも塩澤は、相澤に抜かれたあと、7キロ過ぎから出力を上げ、まず神林を置き去りにした。10キロ手前で城西大と4、5位争いをするところまで順位を上げると、最終的に3位まで押し上げた。塩澤は先輩である館澤亨次(4年)が昨年打ち立てた区間記録(34分09秒)を破る33分57秒(区間3位)の走りで、トップの東洋大と39秒差で西田につないだ。

「まずまずの順位で西田に(襷を)渡せました。自分の役割は果たせたと思いますし、レース全般を自分のペースで押していけたのは大きな自信になりました。今年は出雲、全日本としっかり結果を残せていますし、箱根も走りたいと思っているので、長い距離も外さないで走れるようにやっていきたい」