東海大の名取が札幌マラソン優勝。
絶好調男が全日本駅伝のキーマンだ (3ページ目)
レースは序盤、松尾淳之介(4年)が引っ張った。だが中盤以降、名取が前に出て、そのままトップを快走し、62分44秒という好タイムで優勝した。
「最初、松尾さんがハイペースでいって、いけるかなって思っていたんですけど、5キロぐらいで楽になりました。9キロ過ぎに前に出て、12キロ過ぎで河川敷に入ったんですけど、このままペースを落としすぎなければ大会記録(63分14秒)も狙えるかなと。最後、(真駒内)公園内に入っての上りがきつかったけど、思った以上のタイムが出てよかったです」
これで学生ハーフから自己ベストを更新し続けている。
「すごいですよね。練習の成果です(笑)。先生からもらったメニューに加え、ちょいちょい距離を増やして走ることで足がつくれたし、故障しない体ができてきました。今日のレースは、序盤はハイペースでしたが、それに対応できるだけの練習をしてきたのでしっかり走れました。これからがめちゃ楽しみです」
名取の好調の要因は、第一に本人が言うように練習の成果だろう。また、走れるからといってレースを増やすのではなく、本数を制限して足の不安を減らした。それに接地の改良も大きかった。以前はつま先から入っていたが、「それではブレーキがかかる」と両角監督に指摘され、接地をフラットにするようにした。それを意識して走るようになると、足の故障がなくなった。
「今ではスピードを上げてもつま先から入らなくなったし、疲れてきても自分でそのことを意識して走れるようになりました」
そうした成果が札幌マラソンの結果に出たと、名取は言う。
後半の上りが厳しいコースで62分台での優勝。しかも、15年ぶりの大会記録更新で賞金20万円も手にした。レース後はニコニコが止まらない名取だったが、フィニッシュしてインタビューされるまで賞金が出ることを知らなかったという。名取が笑顔を浮かべる横で、レース当日の朝に札幌入りした両角監督も「やったなぁ!」と、その走りを高く評価した。
「タイムもよかったですし、後半、勝負に出て積極的な走りをして勝った。全日本では使おうと思っていますし、箱根でも往路か、復路の後半で起用したいと思っています」
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