2019.11.02

東海大の名取が札幌マラソン優勝。
絶好調男が全日本駅伝のキーマンだ

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Sato Shun

東海大・駅伝戦記 第66回

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 出雲駅伝は4位という結果に終わった東海大。だからこそ、次の全日本大学駅伝でタイトルを勝ち取り、その勢いのまま箱根駅伝につなげていきたいところだ。

 全日本大学駅伝は、全8区間(106.8キロ)で行なわれる。昨年、1区から7区までの区間距離が変更になり、とくに7区は従来の11.9キロから17.6キロと伸びた。その結果、7区と8区(19.7キロ)がロング区間になった。

 昨年、東海大は2区から6区までトップを維持していたが、7区で青学大のエース・森田歩希(ほまれ/当時4年)に逆転され、2位に終わった。そのレース展開から、あらためてロング区間である7区、8区の重要性が明確になった。レース後、東海大の両角速(もろずみ・はやし)監督は「うちはロングに弱い」と苦い表情を浮かべたが、今年はその区間に人材が揃い、期待が持てそうだ。

札幌マラソン(ハーフ)で大会記録を更新する62分44秒で優勝した名取燎太 そのひとりが名取燎太(3年)である。

 名取は、長野・佐久長聖高校から大きな期待を背負って入学した選手だった。しかし、入学前の3月に疲労骨折が判明し、復帰するまでに4カ月を要した。7月にホクレン・ディスタンスチャレンジ網走大会でレースに復帰し、夏合宿から本格的に走れる状態になった。だが、その後はレースに照準を合わせようと焦って調整し、故障するという悪循環を繰り返した。

 そんな名取にとって転機になったのは、昨年の夏だ。両角監督から提案があり、チームから離れて別メニューで練習することになった。

「先生から提案をいただいたのですが、故障していたので、最初は『一緒にやってみるか』という感じでした。メニューはとくに決まっていなくて、『今日はこれをやるぞ』という感じで、両角先生と一緒に走ったこともありました」

 最初の頃のメニューは、30キロぐらいの距離をゆっくり走るというものだった。ただ、足に負担がかからないように、一度に30キロではなく、12キロ、10キロ、8キロなど、3回に分けて走った。