東海大のエース、關颯人と館澤亨次が語る「1500mからの箱根駅伝」 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 もともと1500mは昨年8月に東海大記録のベスト(現在は館澤の3分41秒82がベスト)を出したようにスピードには自信を持っているが、この日のラストスパートでのスピードの伸びは昨年よりも上がっていた感がある。

「昨年の日本選手権はラストスパートで動かせなくて......。スピードがついても体を動かせないと意味がないんですよ。でも、今日もそうですが、ラストスパートで動かせるようになってきたのは、昨年のアメリカからこの1年での成長かなと思っています」

 持ち味のスピードがさらに磨かれると駅伝シーズンでは大きな武器になるだろう。昨年の出雲ではアンカーとして力強い走りを見せ、優勝に貢献した。出雲、全日本は距離が短いゆえに東海大の強み、關の持ち味がフルに活かされることになるが、1区間が20kmを超える箱根はまったく別の勝負になる。実際、昨年の箱根で選手たちは力を発揮できず、スピードはあるが長距離には活かせていないと厳しい評価を受けた。

 それでも、ひとつ光明があった。

 昨年8区を走り、区間2位の結果を出した館澤は1500mで結果を出してきた選手。彼はスピードを強さに変え、20kmでも十分に"走れる"ことを証明したのだ。

「20kmという距離をマイナスに捉えてしまうと、1500mに影響が出てしまう。本音を言えば、1500mや5000mに特化したいという気持ちがあります。でも、箱根があるから僕たちの(今の練習)環境がある。たくさん支援してもらって、『箱根は走りません』というわけにはいかないですし、支援があるから東海大で陸上やれていると思うんです。もどかしさはあるけど、箱根は避けて通れない。箱根を走るからマイナスになるとか考えず、自分の中で箱根も自分の競技力にしっかり結びつけていきたいなと思います」

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