川内優輝、公務員やめるってよ。32歳のプロ転向で何が得られるか (2ページ目)
プロへの転向は昨夏ぐらいから考えていたというが、弟・鮮輝(よしき)が会社員をやめてプロランナーとして活動する中で、自己ベストを大幅に更新したことにも触発されたという。そして、今回のボストンでの快挙が川内に大きな決断をもたらした。
というのも、ボストンの優勝賞金15万ドル(約1600万円)が当面の活動費になるだけでなく、世界最高峰のレースを制したことで、「YUKI KAWAUCHI」という日本人ランナーの"価値"が急上昇したからだ。
そこで、川内がプロランナーとしてリスタートを切ることで、どんな活躍ができるのか。その可能性を探ってみたい。
まずは川内が心配していた収入面。公務員規定でこれまで受け取ることができなかった「出場料」だけでも、十分な活動資金を得ることができる。出場料は世界のトップクラスともなれば、ロンドン、ベルリンなどのメジャー大会と複数年契約を結ぶことで数千万円のお金が動く。
ボストン王者となった川内にも相応の出場料(大会の規模によるが数百万円ほど)が期待できるだろう。しかも、川内の場合は連戦が可能。昨年1年間だけで11のフルマラソンに参戦しており、出場料だけで数千万円を稼ぐのは確実だ。加えて、順位やタイムなどから発生する賞金も手にすることができる。
ただ本人は、「お金のために走るわけではありません。自分自身の可能性を試したい。そのためにプロになります。お金はあまり気にせず、生きていければいい」と話している。スポンサー集めに奔走する気もないようだが、活躍次第では"ビッグマネー"をつかむチャンスは十分にある。
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