選手のために。東海大・両角監督が
提案する箱根駅伝「3つの改革案」 (3ページ目)
「東京ドームは5万人の入場者が可能です。そこでパブリックビューイングができると思うんです。沿道のファンの方も寒さから解放されますし、例えば、スポンサーのサッポロビールがビールを販売して、正月にお酒を飲みながらスポーツ観戦ができます。各大学やスポンサーをしているグッズの販売もできるでしょうし、そうなれば、野球観戦のように自分が応援する大学のグッズを身にまとって応援することができる。新しい箱根の観戦スタイルが生まれると思うんです。
また、今は(各校の)大学新聞の配布が禁止されていますが、ドームなら配布ができますし、新聞で各大学の取り組みなど大学の魅力を伝えられます。距離的にもそれほど変わらない。デメリットとして入退場時に気圧の影響を受けますが、それも一瞬です。
ドーム開催は箱根駅伝の共催が読売新聞社、特別後援が日本テレビ放送網株式会社、後援が報知新聞社であることからも、さほど困難ではないはず。ドームでやるメリットは学生、各大学、そしてファンにとっても非常に大きいと思います」
現在、箱根駅伝に出場した各大学の陸上部には、関東学生陸上競技連盟から援助金として一律200万円、分配されているという。各大学の強化援助という名目だが、この援助金は両角監督が大学を指揮した7年前から変わっていない。多くのスポンサーが付き、視聴率も上がり、巨大なコンテンツに成長した箱根駅伝だが、選手への還元は意外なほど少ないのが現状だ。
「援助金の見直しは選手の負担を減らすということです。長距離で勝つためには普通の学生のようには過ごせない。バイトができないですし、日々、競技に向き合わないといけない。みんな身銭を切ってやっているところがあるんです。
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