2017.12.20

大迫傑が語る異次元のマラソン。
「走りの感覚はレースごとに忘れる」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 大迫傑(すぐる/ナイキ・オレゴン・プロジェクト)にとって、初マラソンだった今年4月のボストンマラソンに続き、2度目の挑戦となった12月3日の福岡国際マラソン。

自身のマラソンのスタンスを語る大迫傑 30kmまでペースメーカーが作る5km15分前後の走りについていった大迫は、そこから14分37にペースアップしたソンドレノールスタッド・モーエン(ノルウェー)とビダン・カロキ(DeNA/ケニア)には置いていかれたものの、35kmまでを14分55秒でカバーする。最後は2012年ロンドン五輪と13年世界選手権を連勝したスティーブン・キプロティチ(ウガンダ)にかわされたが、そのまま追いかけてカロキを抜き、2時間07分19秒の3位でゴールした。

 この記録は15年の今井正人(トヨタ九州)以来の7分台で、07年に佐藤敦之(中国電力)が出した2時間07分13秒に次ぐ日本歴代5位と、日本男子マラソンにとって久しぶりの好成績だった。さらに3000mと5000mの日本記録保持者で、1万mも27分38秒33というトラックの実績を持つ選手の記録としては、02年に2時間06分16秒の日本記録出した高岡寿成に次ぐものだ。その点でも周囲の期待を大きく膨らませる結果となった。

 近年は初マラソンでも2時間6分台や日本記録更新を公言する選手も多いなか、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、4月のボストンで大迫が2時間10分28秒で走ったことを受けて、「これで次の福岡できっちり2時間7~8分台を狙ってくれればいい。極めて冷静な取り組み姿勢だ」と評価していた。